消防隊員死亡のビル火災 当時の小隊長に減給の懲戒処分

おととし静岡市の繁華街で起きたビル火災で、消火活動中に死亡した消防隊員に活動基準に反した方法で退出を指示したとして静岡市消防局の当時の小隊長が減給の懲戒処分を受けました。

おととし8月、静岡市葵区呉服町のビルで起きた火災では、静岡市消防局の当時37歳の消防隊員が消火活動中に死亡しました。
消防局によりますと、隊員は退出の指示を受けたあと、何らかの原因でほかの隊員とはぐれ、火元の倉庫の中に1人で入ったということです。
ビルに進入する際、現場を統括していた当時の小隊長は、消防局の活動基準で定めた隊員どうしをロープでつなぐ手法ではなく、地面に置いたホースをつたって退出するよう指示したということです。
この指示について消防局が設置した事故調査委員会の報告書では「安全よりも迅速性と効率性が優先された可能性がある」と指摘されています。
このため静岡市消防局は活動基準に反する指示で職務上の義務を怠ったとして当時、小隊長だった30代の職員を減給10分の1、6か月の懲戒処分にしました。
静岡市の難波喬司市長は「市長部局で行っている行政的検証では、組織として課題があることも明らかになってきた。再発防止を消防長に指示し、消防力の強化に努めてまいます」とコメントしています。