今春福島県に拠点戻すことに JFAアカデミー三島で終了式 

今春福島県に拠点戻すことに JFAアカデミー三島で終了式 

東日本大震災と原発事故の後、静岡県内に活動拠点を移していた「JFAアカデミー福島」が、この春、福島県に戻ることを受け、選手を受け入れていた三島市の高校で終了式が行われました。

日本サッカー協会がエリート選手を育成する「JFAアカデミー福島」は、東日本大震災と原発事故のあと、2011年から活動拠点を静岡県の御殿場市と裾野市に移し、選手たちは、福島県の中学校や高校に在籍しながら、静岡県内の学校に通ってきました。
そして10年がたち、かつての練習場所で震災後は廃炉作業の拠点だった「Jヴィレッジ」が、除染を終えて営業を再開したことなどから、アカデミーは、2021年から段階的に福島への帰還を始め、この春、拠点を完全に福島に戻すことになりました。
これを受けて、高校生の選手を受け入れていた三島市の県立三島長陵高校で、30日、終了式が行われ、アカデミーの1年生から3年生までの27人が出席しました。
選手たちは、福島県立ふたば未来学園高校に在籍しながら、三島長陵高校の校舎をサテライト校として授業を受けてきたほか、文化祭では、模擬店を出したり合同で合唱をしたりして交流を深めてきたということです。
終了式では、日本サッカー協会の田嶋幸三会長が「この13年間はいろんなトラブルもあったが、多くの人にサポートしていただき、このご恩は一生忘れません。アカデミーの生徒たちは、社会に貢献する意識で過ごしていってほしい」とあいさつしました。
このあと、選手たちは高校の生徒たちと応援の旗を交換し、復興支援ソング「花が咲く」を合唱しました。
福島市出身でふたば未来学園3年生の坂本秀吾さんは「サッカーに最大限集中できる環境を作ってくださり感謝しています。文化祭での交流も思い出です」と話していました。
三島長陵高校1年の山下知夏さんは「文化祭で歌ったときは一緒に盛り上げてくれて、自然と笑顔になれた。いなくなってしまって本当にさみしい」と話していました。
1、2年生の12人は、ことし4月から、ふたば未来学園に通い、サッカーを続けるということで、1年生の鳥尾芽生さんは「春から、初めて福島での活動に参加するので、静岡で応援してくださった方に、良い報告ができるようにサッカーも全力で頑張りたい」と話していました。