高濃度「PFAS」検出問題 専門家”国主体で血液検査を”

静岡市清水区の化学工場周辺の井戸水などから有機フッ素化合物の「PFAS」のうち、有害性が指摘されている物質が高い濃度で検出された問題で、13日、専門家が区内で講演し、国が主体となって住民の血液検査や具体的な汚染対策を進めるべきだと強調しました。

講演を行ったのは有害物質による環境汚染の調査に長年携わっている京都大学の小泉昭夫名誉教授で、静岡市清水区の会場には地元住民など約50人が集まりました。
この中で小泉名誉教授は、PFASが健康に及ぼす影響について、体内に取り込まれると肝臓や腎臓に蓄積され、長い期間にわたって体内にとどまることを説明しました。
その上で血液中の濃度が高い状態にあると一部のがんや脂質異常症などのリスクが高まるという研究結果を紹介しました。
こうしたことを踏まえ、小泉名誉教授は、国が主体となって住民の血液検査や具体的な汚染対策を進めるべきだと強調しました。
参加者からは「井戸水を飲まなければ心配がないと説明されたが、大丈夫か」などといった懸念が示されたのに対し、「健康への影響は血中濃度が最もわかりやすく、心配であれば血液検査を受けることが望ましい」と答えていました。
講演を聞いた静岡市葵区の70代の女性は「行政にはこれまで以上に積極的な対策をとってほしいです」と話していました。