リニア 環境影響評価 静岡市の難波市長“8〜9合目程度”

リニア中央新幹線の環境保全対策などをまとめる環境影響評価について、静岡市の難波市長は、山に例えた場合8合目から9合目程度まで達しているという認識を示しました。

静岡市北部の南アルプスを通る予定のリニア中央新幹線の工事で、環境への影響や対策をまとめるためJR東海が行っている「環境影響評価」について、市は有識者会議を設けてJR側と意見交換をしています。
その進捗状況について、難波市長は12日の定例会見で山に例えた場合、全体として「8合目から9合目まで達している」という認識を示しました。
テーマ別では、まず水の問題では、大井川の水量を減らさないために上流部の田代ダムの取水量を抑える案が流域自治体などで作る協議会で了承された上、実施に向けてJR東海とダムの管理会社との間で合意したことで9合目以上に達したとしました。
次に、工事で出る大井川のそばの「燕」という場所に置く発生土の問題は、有識者会議でJR東海の計画のリスク評価を進めていて9合目程度。
さらに、大井川上流の生態系への影響は、国の有識者会議が工事前からのモニタリングの実施や十分なコミュニケーションを指摘したことなどを踏まえ、市としては、トンネル掘削の前に不十分な点をまとめる予定で8合目程度まで達しているとしています。
難波市長は「環境影響評価を行政の怠慢で遅らせないようにするのは当然のことだ。論点は整理されているので市の見解をしっかりまとめ、県とも調整してJR側に伝えていきたい」と述べました。