投票所の男女別集計 浜松市が押しボタン廃止へ

選挙の投票所で投票用紙を交付する際に広く使われている男女別の人数を集計するための押しボタンについて、浜松市は、遅くとも再来年に予定されている県知事選挙から廃止する方針を明らかにしました。

国は、選挙で男女別の投票者数を集計するよう定めていて、多くの自治体では、投票用紙を交付する際、担当者が男性と女性に分かれた2つのボタンのどちらかを押すことで人数を把握しています。
これについて、出生時の性別と性自認などが一致せずに悩む人たちを支援する「浜松トランスジェンダー研究会」は、戸籍と見た目の性別が違うことから本人でないと疑われるケースが相次いでいるなどとして、浜松市選挙管理委員会に対して対応を改善するよう求めていました。
市選挙管理委員会は25日、会の代表者らと面会し、遅くとも再来年に任期満了で実施される予定の県知事選挙から、投票所の受付に新たなシステムを導入し、入場整理券を読み取ることで男女別の集計を行い、押しボタンは廃止する方針を明らかにしました。
これに加えて、投票所で本人確認を行う際、「性別は絶対に確認しない」などの文言を市のマニュアルに書き加え、担当者に徹底することも決めたということです。
研究会代表の鈴木げんさんは「投票したくても投票所で嫌な思いをするから行けないという人がいます。誰もが安心して投票できる環境を作って欲しいです」と話していました。
浜松市選挙管理委員会の石川正喜事務局長は「できるだけ多くの人に投票してもらうためにも、可能な限り工夫していきたい」と話していました。