静岡市の難波市長 知事主張のリニア部分開業「ありえない」

リニア中央新幹線の県内での着工を認めていない川勝知事がリニア中央新幹線の山梨ー神奈川間の先行的な部分開業を主張したことについて、静岡市の難波市長は、「民間企業の経営に関係のない立場で言うべき話ではなく、部分開業もありえない」と批判しました。

川勝知事は、12月13日の定例会見で、去年独自に提案したあと撤回したリニア中央新幹線の山梨ー神奈川間の先行的な部分開業について、JR東海の社長交代を理由に再び主張しました。
これについて静岡市の難波市長は22日の定例会見で、「リニア中央新幹線は民間企業であるJR東海が進めている事業で、経営に関係のない立場で開業の形態について言うべきではない」と批判しました。
さらに、県議会で、県の担当者が、知事のこの発言を「県の公式見解だ」と発言したことにも触れ、「知事が政治家として発言するのは理解できるが、公式見解とするのは理解できない」と述べました。
その上で、部分開業が解決策になるか問われたのに対し、「常識で考えて採算が取れるわけがない。ものすごい金額の赤字が出るわけだからありえないと思う」と答えました。
一方、21日静岡大学が浜松医科大学との再編をめぐり、4年前に両大学が合意した2つの大学への再編案ではなく、1つの大学に結合する案を大学としての正式な案に決定したことについて、難波市長は「法人の経営形態は大学が決めることだが、教育や研究の面で大学の魅力を向上させるのが地域にとっては最も重要なことだと思う」と述べました。
その上で、「同じ大学の中に限らず、ほかの大学や研究機関、行政などとの産学官の連携が大事なので再編のあり方については早く決めてほしい」と要望しました。
そして、ことし4月に市長に就任してからを振り返り、ことしを象徴する文字に「創」を挙げ「新しい危機管理体制や行政の新しい組織文化を社会と連携して作ることができればという思いからこの文字にしました」と説明しました。