リニア工事 ダム取水量抑制案で具体的方法まとまる 

リニア中央新幹線の工事を巡り、JR東海が提示した大井川の流量を減らさないために上流部のダムの取水量を抑える案について、JR東海は、ダムの管理会社と間で具体的な方法がまとまったことを明らかにしました。
今後、利水関係者からの正式な了承が得られれば、いわゆる「全量戻し」の議論が進むことになります。

リニア中央新幹線の工事で県がJR東海に求めているいわゆる「全量戻し」の方法として、JR東海は、工事で県外に流出する水と同じ量だけ大井川上流部の田代ダムで取水を抑える案を示しています。
この案について、JR東海は、ことし6月からダムを管理する東京電力の関連会社と協議してきましたが、25日、具体的な方法がまとまったことを明らかにしました。
JR東海によりますと、工事中に流出する水量を1週間ごとに測定し、その分を東京電力の関連会社が河川法で定められたシーズンごとの大井川の維持流量に上乗せして取水を抑制するということです。
JR東海は、流域自治体の代表などで作る「大井川利水関係協議会」にこの方法についての正式な了承を得るため、協議会の事務局の県に対し、会員の意向確認を求める文書を25日付けで出したということです。
今後、協議会の正式な了承が得られれば、これまでJR東海と県の間でこう着状態にあった「全量戻し」の議論が進むことになります。
【島田市長 「一歩前進の日」】
大井川流域自治体で作る協議会の先導役を務めてきた島田市の染谷絹代市長は、「やっとここまでたどり着いた。JR東海が流域の市町や土地改良区を個別に回って説明し、反対の声はなく『スピード感を持って進めてほしい』という意見が多かったと聞いているので、今日は、その一歩前進の日だと思う」と歓迎していました。