リニア協議の進行状況 川勝知事「流量解決で2合目に進む」

リニア中央新幹線の工事を巡り、県とJR東海や国との協議の全体的な進行状況について、川勝知事は「大井川の流量の問題が解決されれば、山で例えると1合目から2合目に進んだという状況だ」と述べ、多くの必要な議論が依然、山積しているという認識を示しました。

リニア中央新幹線のトンネル工事をめぐり、県が工事を認めない中、環境保全を議論する国の有識者会議が9月下旬の会合で最終報告書の案を提示しました。
これについて、川勝知事は10日の定例会見で、「静岡市の難波市長が『工事開始前に影響を回避するための措置が十分書かれていない』と指摘しているが、基本的には同じ考えだ。南アルプスは国立公園であり、生態系の保全は国策だ」と述べ、生態系への影響の評価を十分に行うよう改めて求めました。
トンネル工事を巡っては、JR東海が大井川の流量を減らさないための対策として、工事で県外に流出する水と同じ量だけ上流部の田代ダムで取水を抑える案を示し、流域自治体や県から了承を得て、ダムの管理会社との協議を進めています。
こうした状況について、全体的な進み具合を問われたのに対し、川勝知事は「大井川の流量の問題が解決されれば、山で例えると1合目から2合目に進んだという状況だ。議論はまだまだしっかりやっていかないといけない」と述べ、必要な議論が依然、山積しているという認識を強調しました。
また、岸田総理大臣が年頭の会見で、リニア開業後に県内の駅で新幹線の停車頻度をどの程度増やせるのかについて、この夏までに示すとしたことに触れ、「もう10月を迎えていてどうなっているのか。遅れているのは、われわれのほうではなくて、国やJR東海ではないか」と指摘しました。