観光バス横転事故 実刑判決の運転手 控訴しない意向

去年10月、静岡県の富士山の5合目から下る道路で、観光バスが横転して29人が死傷した事故で、過失運転致死傷の罪に問われた当時のバスの運転手が、禁錮2年6か月の実刑判決を受け入れて、控訴しない意向であることが、弁護士への取材でわかりました。

去年10月、小山町の富士山の5合目から下る県道で、観光バスが横転し、当時75歳の乗客の女性が死亡したほか、乗員と乗客28人が重軽傷を負いました。
この事故では、フットブレーキを使いすぎる操作ミスが原因で、ブレーキがきかなくなる「フェード現象」が生じたなどとして、当時、バスを運転していた野口祐太被告(27)が、過失運転致死傷の罪に問われました。
26日の判決で、静岡地方裁判所沼津支部は「多くの命を預かる立場にありながら、運転上の注意を守らずに事故を引き起こした」として、禁錮2年6か月の実刑を言い渡しました。
この判決について、元運転手が控訴しない意向であることが、弁護士への取材でわかりました。
弁護士によりますと、元運転手は「いかなる判決でも受け入れるつもりだった。言い渡された内容を重く受け止めている」と話しているということです。