浜松基地周辺で「PFAS」が国の目標値上回る高濃度で検出

有害性が指摘されている化学物質の「PFAS」が航空自衛隊浜松基地周辺の川や水路で国の暫定の目標値を上回る高い濃度で検出されたことが浜松市の調査でわかりました。
市は、上水道への影響はないとしていて、原因調査のため浜松基地に対して協力を要請しました。

「PFAS」は、有機フッ素化合物の総称で、一部の物質で有害性が指摘され、環境省によりますと古い泡消火剤などに含まれているほか、この物質を扱っていた精密機器の工場などが排出源になるとされています。
国は水質の暫定的な目標値を設けていて、沖縄や神奈川などの米軍基地周辺でこの目標値を大幅に超える数値が検出されています。
浜松市によりますとことし4月から6月にかけて市内の河川と水路26地点で臨時の調査を行ったところ、航空自衛隊浜松基地の近くを流れる伊佐地川や新川、それに周辺の水路などあわせて6つの地点で暫定の目標値を上回る値が検出されたということです。
このうち、基地から100メートルほどの北部承水路の支流では目標値の28倍の数値でした。
あわせて行った地下水の調査でも15地点中4つの地点で目標値の3倍から4倍ほどの数値が検出されたということです。
市は、上水道への影響はないとしていますが、周辺の井戸水を飲むことを控えるよう呼びかけるとともに目標値を上回った地点では継続的にモニタリング調査を行うことにしています。
また、市では浜松基地に対し、原因調査への協力を書面で要請したということです。
航空自衛隊浜松基地は浜松市からの要請の内容を検討した上で、どのような方法で調査を進めるかなど、対応を決めることにしています。