富士山のマグマ活動監視で新手法 県立大学などの研究グループ

静岡県立大学などの研究グループは、富士山の直下で起きる「低周波地震」と呼ばれる規模のごく小さな地震のデータから、マグマの活動を監視する新たな手法を開発したと発表しました。

富士山の噴火に備え、マグマ活動を監視する新たな手法を開発したのは、静岡県立大学のグローバル地域センターや東京大学地震研究所などの研究グループです。
研究グループによりますと富士山で発生する地下の火山活動を示すとされる低周波地震は、規模がごく小さく、観測の際、雑音に埋もれて地震動と認識されないものもあるということです。
新たな手法では、そうした雑音の中から地震動を探知することができ、2003年から2019年までの富士山周辺の16の観測地点の地震計で記録した揺れのデータを改めて分析したところ、気象庁が観測していない低周波地震を拾うことができたといいます。
また、東日本大震災の4日後に発生した県東部を震源とする最大震度6強の地震のあと、低周波地震が起きていたこともこの手法による分析でわかったということです。
静岡県立大学のグローバル地域センター自然災害研究部門の楠城一嘉特任教授は「富士山の噴火までの異常を見逃さない監視方法になり得る。富士山は300年以上噴火から遠のいているので、いつ起きても大丈夫なよう、防災の意識を高めてほしい」と話していました。