袴田巌さん再審に向け 弁護団 検察側“新証拠”の対応協議

57年前、静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さんの再審=やり直しの裁判に向けて、弁護団が27日会議を開き、検察が再審で提出する意向を示している法医学者による鑑定書などの新たな証拠について、対応を協議しました。

57年前の1966年に今の静岡市清水区で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審に向けて、検察は7月、有罪を求める立証を行う方針を示しています。
検察側は、東京高等裁判所が再審を認めた決定の中でねつ造の疑いにまで言及した血痕の付いた衣類をめぐり、法医学者による鑑定書などの新たな証拠を提出する意向を示していて、弁護団はきのう県内で会議を開き、今後の対応を協議しました。
弁護団によりますと、鑑定書などの新たな証拠の取り調べに同意しない場合、法医学者などの証人尋問が行われる可能性があり、審理が長期化するおそれがあるとしています。
このため会議では、裁判所に対し、「審理の蒸し返しにあたる」として証拠を却下するよう求める方針を確認したということです。
弁護団の事務局長の小川秀世弁護士は、「我々としては中身のある鑑定書だとは思っていないので裁判所が却下しない場合、書類のまま証拠とすることに同意することも含めて検討したい。そうすれば審理の時間は短縮される」と話していました。