裾野市の認可保育園 不適切保育 園側が県・市に報告書提出

裾野市の保育園で元保育士3人が不適切な保育を行ったとされる問題で、県と市から原因の検証を求める改善勧告を受けて、保育園側は「保育業務の忙しさや職場の風通しの悪さが原因として考えられる」などとした最終的な報告書をまとめ、25日県と市に提出しました。

裾野市の認可保育園「さくら保育園」では、県と市の特別監査の結果、去年、元保育士3人が園児の足をつかんで宙づりにしたり給食を食べない園児を威嚇したりするなど、あわせて10の行為が身体的・心理的虐待などと認定され、保育園を運営する社会福祉法人「桜愛会」は、児童福祉法などに基づく改善勧告を受けました。
勧告では、不適切な保育が行われた原因の検証が求められたため、法人では、弁護士などでつくる第三者委員会を設置して元保育士3人やすべての保育士に聞き取り調査を実施しました。
そして、この調査結果を盛り込んだ最終的な改善報告書を25日、市に提出しました。
法人によりますと、第三者委員会の調査では保育業務の忙しさや人権意識の不足のほか、新型コロナの感染拡大で職員会議が激減して、クラス単位のコミュニケーションだけになり職場の風通しが悪くなっていたことなどが、原因として考えられると指摘されたということです。
これを受けて法人では、行事や働き方を見直すとともに、月に1回職員会議を開いて職場環境の改善などを話し合うなどの再発防止策を報告書に盛り込んだということです。
法人は25日に報告書を県にも提出していて、県と市は今後、内容を精査して受理するかどうか検討することにしています。

《社会福祉法人「重く受け止め反省したい」》
社会福祉法人「桜愛会」の高村謙二理事長は「今回の事案を重く受け止め、反省すべきことはしっかりと反省したい。第三者委員会からは元保育士について、『多忙を感じてしまい声を荒げた』という指摘があったので、子どものためになる大事な仕事は残しながら、業務量の精査を行っていきたい」と話していました。
また、裾野市の村田悠市長は、「報告書の内容を精査し、法人に対して改善措置の確実な実施を求めていくとともに、保育の信頼回復や保育環境の安定化に努めてまいります」とコメントしています。