熱海土石流裁判 原告側 全公文書の黒塗り外し提出求める

おととし熱海市で発生した土石流をめぐり犠牲者の遺族や被災者などが起こした裁判の非公開の協議が行われ、原告側は県がこれまでに黒塗りを外して開示した文書では不十分だとして、これまでに開示していない公文書も含めて全ての公文書の黒塗りを外して提出するよう求めました。

おととし7月に熱海市で起きた土石流の犠牲者の遺族や被災者は、盛り土が造成された当時の土地の所有者や今の所有者ら、それに県と熱海市に対してそれぞれ賠償を求める訴えを起こしています。
19日、静岡地方裁判所沼津支部で代理人の弁護士や原告の遺族などが出席して非公開の協議が行われました。
静岡県は裁判所からの求めを受けて盛り土造成に関わる公文書の一部を黒塗りを外して提出していましたが、関係者によりますと原告は19日の協議でこれまでに開示していない公文書も含めて全ての公文書の黒塗りを外して提出するよう求めたということです。
これに対して県は「直ちに応じることはできず、どのような資料を求めているのか具体的に開示を求められれば開示を検討する」と話したということです。
今後、原告側から県に対して具体的に開示を希望する部分を書類で示した上で、ことし9月に予定されている次回の非公開の協議の際に県が開示するかどうか返答するということです。
原告の代理人を務める加藤博太郎弁護士は「県からは資料の提出について消極的な見解が述べられたことに驚いた。資料一式が出てこないと、真相は明らかにできず仮定の議論をするしかないので周辺のところも含めて出していただきたい」と話していました。