橋げた落下事故から1週間 警察の検証作業 長期化の見通し

7月6日、静岡市清水区の国道の「静清バイパス」の工事現場で、建設中の高架道路の橋げたが落下し、8人が死傷した事故から13日で1週間です。原因の究明に向けて警察は今後、橋げたの解体を進めるなどして詳しく調べる方針で、検証作業は長期化する見通しです。

7月6日の未明、静岡市清水区尾羽の国道1号線「静清バイパス」の高架道路を建設する工事現場で、道路の土台にあたる長さ約63メートル、重さ約140トンの橋げたが9メートルほど下に落下し、作業員2人が死亡、6人が重軽傷を負いました。
警察は、事故の原因の究明に向けて、13日も昼すぎから関係者の立ち会いのもと現場検証を行う方針です。
工事を発注した国土交通省静岡国道事務所によりますと、現場では当時、橋脚に載せた橋げたを横に移動させたあと、油圧ジャッキなどを使って橋脚に下ろす途中に何らかの原因で落下したとみられるということです。
警察は今後、橋げたの解体を進めるなどして詳しく調べる方針で、検証作業には1か月以上かかるという見方もあり、長期化する見通しです。
この事故をめぐっては、専門家でつくる国土交通省の事故調査委員会も11日から調査を始めていて、静岡国道事務所は、調査結果がまとまるまでは事故が発生した区間の工事を見合わせることにしています。

《現場周辺の住民 生活や心理面に影響も》
「静清バイパス」では落下した橋げたが今も下り線をふさいで通行できなくなっているため、上り線の2車線で上りと下りを通行できるようにする措置が取られています。
現場周辺の住民からは事故の発生から1週間となるきょう、生活や心理面に影響が出ているという声が聞かれました。
30代の女性は、「バイパスがスムーズに通れないのは不便で、朝は少し早めに家を出て出勤しています。落ちている橋げたを見るとその時を思い出してショックを受けてしまいます」と話していました。
また、60代の女性は、「事故の影響でバイパスが少し渋滞するので車で出かけるときは不自由ですが、大きな事故だったので仕方ないと思います。今も家からつい高架になっているところを見てしまいますが、そのたびに気持ちも沈んでしまって悲しいです」と話していました。