川勝知事 不信任決議案 否決 “県民に深くおわびしたい”

いわゆる「コシヒカリ発言」を巡り静岡県の川勝知事が、一度返上の意向を示したボーナスや給与を返上していなかった問題で、県議会で50年ぶりに知事の不信任決議案が出されて13日未明、否決されました。

川勝知事は13日午前、否決後、初めて取材に応じ、「県民に深くおわびしたい」と謝罪しました。
この問題は、川勝知事がおととしの参議院補欠選挙の応援演説で県内の自治体について、「あちらはコシヒカリしかない」などと発言して県議会で辞職勧告決議が可決された際、自らのペナルティーとして給料とボーナス合わせて440万円余りを返上する意向を示しましたが、7月になって返上していないことが報道で明らかになったものです。
県民から批判が相次ぐ中、知事は12日の県議会で9月議会で返上に必要な条例改正案を提出して返上する意向を表明しましたが、県議会では50年ぶりとなる不信任決議案が出され、13日未明、採決の結果、否決されました。
川勝知事は13日午前、県庁で否決後初めて取材に応じ、「県民に多大なご心配をおかけして深くお詫びしたい」と謝罪しました。
その上で、「大変多くの議員が賛成しおととしの辞職勧告に勝るとも劣らないと思っている。今後は議員の皆さんとコミュニケーションを深めていきたい」と述べました。
また、9月の県議会で、給与とボーナスを返上する条例案を出す意思も改めて示しました。

《一連の騒動 「県の恥」との声も》
知事の不信任決議案を巡る一連の騒動について、静岡市中心部で県民に話を聞きました。
静岡市の67歳の男性は、「静岡県の恥だと思います。言葉選びが強くなることがある上、言ったことをやらないのは県民として恥ずかしいです。不信任決議案が出され、可決される直前まで行ったのだからみずから知事を辞めるべきだと思います」と語気を強めていました。
また、静岡市の45歳の男性は「県知事は、われわれ県民の代表なのだから自分の発言には責任を持ってほしいです」と残念そうに話していました。
一方で、静岡市の30代の女性は「給料とボーナスの返上は条例の改正ができなかったから行えなかったと認識しています。知事だけの問題なのか、ほかの議員の対応に問題はなかったのか、いろいろと考えてしまいます」とも話していました。