「リトグラフ」で描かれた富士山の作品展 富士市

石版画、「リトグラフ」の技法で明治時代に描かれた富士山の作品展が、富士市で開かれています。

展示会は、富士市の「富士山かぐや姫ミュージアム」が開いたもので、所蔵する明治時代の石版画「リトグラフ」の作品24点が展示されています。
石版画は、水と油が反発する作用を利用して印刷する版画の技法の一つで、幕末から明治にかけて日本に伝わっとされ、富士山を題材にした作品も数多く出版されました。
明治22年に、富士市東部を流れる沼川にかかる橋と富士山の姿を描いた「駿州田子之浦」は、橋の上を通る人力車などから近代化が進んでいる様子が伺えます。
茶摘みする着物姿の女性と富士山を色彩豊かに描いた「茶摘」は、明治以降、富士市周辺で本格的な茶の生産が始まったころの一枚です。
学芸員の杉本寛郎さんは「明治時代に新たに用いられたリトグラフを利用して、100年前の人々がどんな富士山を描いたのかをぜひ知っていただきたい」と話していました。
この展示会は、9月3日まで開かれています。