インフラ“0”建物普及へ県内企業と東京のベンチャーが新会社

太陽光発電や雨水などを活用することで送電線や上下水道など既存のインフラを必要としない建物の普及に向けて、県内の企業と東京のベンチャー企業が新たな会社を設立し、県の東部エリアで取り組みを進めることになりました。

新たに会社を設立したのは、東京のベンチャー企業「ARTH」をはじめ県内に本社がある静岡鉄道、鈴与商事、トヨタユナイテッド静岡の4社で、5日事業の説明のための会見を開きました。
発表によりますと、設立された会社では、電力や水を自然からまかなって自給し、送電設備など既存のインフラを必要としないホテルを今後、1年半をめどに東部エリアに2つ展開する方針です。
脱炭素社会の実現を念頭に置いていて、電力は太陽光パネルから、シャワーなどの水は雨水を、また、トイレの排水は特殊なろ過装置を活用するということです。
ベンチャー企業では、こうした仕組みのホテルの運用を沼津市内ですでに始めていて、既存のインフラ設備が必要でないことなどから、災害時の避難先の建物として自治体からの問い合わせもあるとうことです。
今後、こうした施設を増やしていくことで、これまでにない新しい次世代型の街づくりが可能になるとしていて、ベンチャー企業の高野由之社長は、「環境に重点をおいた世界で初めての取り組みを静岡の地で行い、観光ともからめながら地域を元気にしていきたい」と話していました。