熱海土石流 盛り土撤去 川勝知事 “7月3日までに完了”

熱海市の土石流の起点に残されている盛り土の撤去について、川勝知事は、「ほぼ完了した」として発生から2年となる7月3日の追悼式までに完全に終える考えを示しました。

おととし7月に熱海市伊豆山地区で起きた土石流の起点に残されている推計で約2万立方メートルの盛り土を巡っては、造成当時、土地を所有していた不動産会社に代わって、県が、不安定になっている残りの土砂の撤去工事を今月末の完了を目指して進めていて、現場の地盤が想定より柔らかいことや大雨の影響などから作業が少し遅れていたということです。
7月3日に発生から2年を迎えるのを前に、川勝知事はきょうの定例会見で、この土砂の撤去について、「ほぼ完了し3日の追悼式までに完全に終えたい」と述べました。
県によりますと、予定より遅れるものの、熱海市が目指す9月1日の警戒区域の解除には影響はないということです。

《リニア田代ダム案 川勝知事 消極的姿勢》
また、会見では、リニア中央新幹線の工事を巡り、流出する水の量だけ大井川上流の田代ダムで取水を抑える案でJR東海がダムを管理する東京電力の関連会社と協議を開始したことについて、これまで異論を繰り返し唱えていた川勝知事は、「本来は開始のための手続きの調整を終えた上で県や関係者に提案するべきだった」と持論を述べて批判しました。
さらに、両者の協議の中で、水の減少が確認されなかったら田代ダム案を認めるか問われ、「まずは実現可能性について、いくつかの論点を専門部会で議論してからだ」と従来の消極的な姿勢を示しました。