スプリンクラー突然作動 裾野市調査委“原因を特定できず”

去年、静岡県裾野市の文化センターでスプリンクラーが突然作動し演奏前のオーケストラが水につかった問題で、市の調査委員会は実験を行うなどしたものの原因を特定できなかったとする最終報告書をまとめ、27日市に提出しました。

去年9月、裾野市民文化センターでスプリンクラーが突然作動し、演奏会直前だった焼津市のオーケストラは出演者5人がけがをしたほか、楽器約100点が被害を受けたとしています。
市が設置した第三者による調査委員会は、スプリンクラーの配管の弁が誤作動し、放水された可能性があるとして調査を進めていましたが、原因を特定できなかったとする最終報告書をまとめ、27日市に提出しました。
調査委員会の委員長を務めた静岡大学工学部の近藤淳教授は静岡市で会見し、これまでの調査内容を説明しました。
それによりますと、配管の弁が水圧によって開放されるのは、設計上は9.4リットルで、ことし3月から1ヶ月間、水漏れの量を実験で調べた結果、当時は、この水の量に達していなったと考えられるということです。
一方、複数の弁に傷が見つかったため、メーカーに調査を依頼したところ、一部の配管で弁が開放される水量の約13倍の水漏れが起きる可能性が指摘されたということです。
このため最終報告書では誤作動の可能性は排除できないとしながらも、「原因は特定できない」と結論づけたということです。
裾野市の村田悠市長は、「内容を精査し、市としての対応を検討します」とコメントしています。
一方、焼津市のオーケストラの中原朋哉芸術監督は「『かしはない』という結論ありきで議論が進められていなかったか裾野市に確認する必要がある。市長には被害者を放置することなく直ちに補償を始めるよう求める」とコメントしています。