JR東海がダム案協議開始 静岡市長“ぜひ進めていけばいい”

リニア中央新幹線の工事を巡り流出する水の量だけダムで取水を抑える案でJR東海が22日に協議の開始を発表したことについて、静岡市の難波市長は「非常に有力な案なので、協議をぜひ進めていけばいい」と述べて進展を評価しました。

JR東海はリニアの工事で県外に流出する水と同じ量だけ上流の田代ダムで取水を抑える案について、22日にダムを管理する東京電力の関連会社と協議を開始したと発表しました。
これについて県でリニアの担当だった静岡市の難波市長は23日の定例会見で「非常に有力な案なので、協議をぜひ進めていけばいい。水利権の問題や返せるだけの水があるか、十分な議論が行われて『行けそうだ』ということなのではないか」と述べて進展を評価しました。
また、トンネル工事で発生する残土を盛り土にするJRの計画に対し、川勝知事が地盤ごと崩れる深層崩壊のリスクを指摘していることについて、難波市長は「深層崩壊を言い出すと、あのあたりは全部深層崩壊が起きるような場所で、どこにも置けなくなる。根拠をしっかり見たい」と述べました。
一方で、県の理事だった去年、重金属を含む残土の置き場の候補地について難波市長は「県の条例により処分できる場所でないのは確定的だ」と指摘したことについて聞かれると、「適切に発言したと思っているが、今の立場でコメントすべきではない」と見解を示すことを避けました。

これまで協議開始に繰り返し異論を唱えてきた川勝知事は23日、「JR東海が提案した後、県の専門部会などでJR東海に対し協議を開始するよう繰り返し求めてきた。速やかに協議を進めていただきたい。両者の協議が整い次第、県の専門部会でJR東海と対話を進めていく」というコメントを出しました。