市立図書館の本を分散配置 下田で「まちじゅう図書館」始まる
下田市で、喫茶店などに市立図書館の本を置いて市民や観光客に気軽に読書を楽しんでもらう「まちじゅう図書館」という取り組みが始まりました。
下田市の市立図書館は、10万冊の蔵書のうち一般の人がすぐ手に取れる開架スペースには半分の約約5万冊しか置けず、手狭なことが課題になっています。
このため市は、市内各所に拠点を作って図書館の蔵書を置き、市民や観光客に本に触れてもらう機会を増やす「まちじゅう図書館」の取り組みを始めました。
1日は市の山田貞己教育長が、市内でリゾートを楽しみながらテレワークをする「ワーケーション」の拠点施設を訪れ、拠点マネージャーの津留崎鎮生さんを「まちの図書館」の館長に任命する登録証を手渡しました。
そして客層に合わせて、働き方やITに関する本30冊あまりが置かれました。
津留崎さんは「人や本との出会いが生まれる場所になればいい」と話していました。
続いて紅茶を専門とする喫茶店では、紅茶の知識や黒船の下田港来航の歴史など、会話のきっかけになりそうな本が並べられたほか、客が本のリクエストをするノートも置かれました。
喫茶店の経営者の森享子さんは「気楽に紅茶を飲みながら本を楽しんで、観光客とも交流できるようになればいい」と話していました。
市では令和8年度までに市内に30か所の「まちの図書館」を開館させたいとしています。