リニア工事 ダムで取水抑える案 知事は協議開始に消極的

リニア中央新幹線の工事を巡り大井川流域の関係者による協議会がJR東海が提示した上流部のダムで取水量を抑える案の協議を進める意見で一致したことについて、川勝知事は「別の協議会でも了解を得るべきだ」として協議開始に消極的な姿勢を示しました。

大井川流域の自治体の代表などが参加して27日夜に県庁で開かれた大井川利水関係協議会では、いわゆる全量戻しの方法として、工事で県外に流出する水と同じ量だけ上流の田代ダムで取水を抑える案を前提にJR東海が具体的な協議開始を要望し、「協議を早期に進めるべきだ」という意見で一致しました。
これについて川勝知事は28日の定例会見で、「協議開始ということで協議会から了解を得たと聞いたが、水利権の調整をしている別の協議会でも了解を得ることが必要だ」と述べました。
これについて、別の協議会と27日の協議会のメンバーが一部、同じであること、多くの自治体からダム案の協議開始を求める声が上がっていること、知事が「流域自治体と自分の意見は一致している」と発言していることへの見解を求められましたが、「現実的にこの方策が可能なのかどうかなど疑問点があるならば解消する必要がある」と述べて協議開始には消極的な姿勢を示しました。