熱海土石流 県の委員会 警戒区域域解除へ“安全十分に確保”

おととし熱海市で起きた土石流で被災した地区で、原則立ち入りが禁止されている「警戒区域」の指定解除に向けて23日、県の検討委員会が開かれ、専門家からは、土石流の起点に残されている盛り土の撤去工事が完了すれば、解除に向けて安全が十分に確保されるという見解が示されました。

この検討委員会は、土石流で被災した熱海市伊豆山地区の「警戒区域」について、ことしの夏の終わりまでに解除を目指している市の要請で開かれ、土砂災害に詳しい専門家などが出席しました。
熱海市は「警戒区域」を解除する条件として、土石流の被災現場で国土交通省が建設を進めてきた砂防ダムの完成と、土石流の起点に残された盛り土の撤去を挙げています。
23日の委員会では国や県の担当者から、新たな砂防ダムは今月完成し、県が行っている盛り土の撤去工事はことし5月末までの完了を目指して進められていることが報告されました。
また県の担当者からは、起点に残されている盛り土について、大規模な崩落につながるような土砂の変動は確認されていないことが報告されました。
委員を務める専門家は、こうした対策工事などについて「土砂災害を防止する十分な対策がとられている」と述べ、盛り土の撤去が完了すれば警戒区域の解除に向けて安全が十分に確保されるという見解を示しました。
検討委員会の委員長で静岡大学の今泉文寿教授は「復旧・復興には土砂の撤去などのハード面だけでなく、避難行動の強化などソフト面の対策も一緒に進めていくことが必要だ」と話していました。