JR東海 “ダム取水抑制で県外流失補える”
リニア中央新幹線の工事による大井川の水資源への影響を議論する県の専門部会で、JR東海は、かねてから提案している上流部のダムで取水量を抑える方法について、過去10年分の詳しいデータをもとに、工事で流出する水の量を補えるとする検討結果を改めて示しました。
4日県庁で開かれた県の専門部会では、JR東海がいわゆる「全量戻し」の方法として提案している、県外に流出する水と同じ量だけ上流の田代ダムで取水を抑える方法について議論されました。
この中でJR東海は、ダムを管理する東京電力の関連会社が日ごとに測っている過去10年分の川の流量などのデータをもとに、最も厳しい条件を想定しても、ダムの取水を抑えれば流出する水は補えるという検討結果を改めて示しました。
これに対し委員は、根拠となるデータをより詳しく明らかにするよう求めました。
一方、JR東海は、県が同じく水の流出に懸念を示している山梨県側から県境を越えて行うボーリング調査について、同じ量の水を静岡県側に戻すとして理解を求めました。
県の森貴志副知事は「ダムで取水を抑える案について新たなデータが出たことは評価できる。専門家の意見を踏まえて実現可能性を考えていきたい」とした一方、県境を越えるボーリング調査については「水の流出の懸念があり認めることはできない」と述べました。