スプリンクラー作動で楽器水浸し 裾野市の対応「不十分」の声

裾野市の市民文化センターで、9月下旬、スプリンクラーが突然作動して演奏会前のオーケストラの楽器などが水につかりました。オーケストラ側は演奏者5人が転倒してけがをし、約100点の楽器が水につかったとしていますが、裾野市からこの3週間あまり被害に関する問い合わせはなく対応が不十分だと訴えています。

裾野市の裾野市民文化センターでは9月24日、大ホールのスプリンクラーが突然作動し、舞台と舞台裏で大量の水が降り注ぎました。
市によりますと、当時、オーケストラの演奏会の直前で、演奏者や楽器などが水をかぶり、このうち市が所有する音響や照明装置などで1億5000万円あまりの被害が出たということです。
けが人の有無やオーケストラ側の被害は把握できていないとしています。
一方、焼津市のオーケストラ「シンフォニエッタ静岡」は、楽器を守ろうとした演奏者5人が転んでけがをしこのうち1人が肩の骨を折る大けがをしたほか、約100点の楽器が水をかぶり、被害額は少なくとも数千万円に上るとしています。
オーケストラによりますと、この3週間あまり、市長の定例会見用だとして、被害状況を教えて欲しいという連絡があったものの正式な被害の問い合わせやスプリンクラーが作動した原因に関する説明はないということで、市の対応は不十分だと訴えています。
オーケストラの中原朋哉芸術監督は、「市民文化センターは市民も利用するホールなので、原因をしっかり究明し、説明してほしい。補償をどうするのか、今からでも市の人には誠意を持った対応をしてほしい」と話しています。
一方、施設を所管する裾野市の勝又明彦教育部長は「まずは原因究明を最優先したい。そのうえで楽団の被害への補償について対応を進めさせていただく」と話しています。

《スプリンクラー作動の原因不明 何者かが作動させた可能性も否定できず》
裾野市によりますとスプリンクラーは、市民文化センターがオープンした1991年に設置され、この31年間、配管の中の水圧が下がることはあったものの、今回のように突然作動し散水するトラブルはなかったということです。
このスプリンクラーは、開放型と呼ばれるもので、火災報知器とは連動しておらず、大ホール内の舞台脇の2か所にあるレバーを手動で操作して作動させる仕組みです。
市が設備を調べたところ、4系統ある配管のうち2系統で開栓された痕があったということです。
開栓用のレバーには鉄製の扉があり、ぶつかるなどしただけでは作動しないということです。
これまでにだれかがレバーを操作したという情報はなく、裾野市は何者かが作動させた可能性も否定できないとして警察とも相談し詳しい原因を調べています。
施設を所管する裾野市の勝又明彦教育部長は「点検業者からスプリンクラーの機器に異常や故障はなかったと聞いている。このため人為的な要因も考えられるので警察と相談している」と話しています。

《被害を受けたオーケストラ 裾野市からの説明なく対応不十分》
焼津市のオーケストラ、「シンフォニエッタ静岡」は裾野市からは、この3週間あまり正式な被害の問い合わせやスプリンクラーが作動した状況についての説明はなく対応が不十分だと訴えています。
当日は、演奏会直前の午後1時すぎにスプリンクラーが突然作動し、舞台裏では辺りが真っ白になるほどの水が降ってきたということです。
裾野市の村田悠市長も裾野市民文化センターにかけつけましたが、オーケストラへの声かけなどはなかったということです。
10日後の10月4日になって、「市長の定例会見があるので質問に答えられるよう、被害状況を教えてほしい」と文化センターを管理する指定管理者の担当者からメールがあったということです。
市からの連絡ではなかったうえ定例会見用とされたため回答しなかったということです。
裾野市からはこのあとも被害状況の把握に関する問い合わせもなく、スプリンクラーが作動した原因に関する説明を求めても、市は、指定管理者に任せていると回答するだけだったとしています。
一方、楽器については楽団や演奏者が所有する約100点が被害を受けたということで、次の演奏会に向けて演奏者は楽器店に借りたり応急処置をして活動していて、今後、修理に出す楽器もあるとしています。
オーケストラの指揮者を務める中原朋哉芸術監督は、被害にあったのは市の施設だけでないとした上で「市民文化センターは市民も利用するホールなので、原因をしっかり究明し、説明してほしい。原因が分かったら誰が責任を取るのか、補償をどうするのか、今からでも市の人には誠意を持った対応をしてほしい」と話しています。