大道芸ワールドカップ 中国出身者「開催なら友好のため参加」

静岡市の一大イベント「大道芸ワールドカップ」の会議で中国に対する差別的な文書が配られた問題で、実行委員会が大会開催の可否を検討している中、中国出身の出演予定者がNHKの取材に応じ、「大会が開催されるのであれば、お客様のため、日中友好のために参加したい」と述べました。

この問題は、来月4日から静岡市で開催予定の大道芸ワールドカップを巡り、大会のプロデューサーが9月に行われた会議で中国に対する差別的な内容の文書を配付し、文化を批判する発言をしたもので、実行委員会は、今月7日、プロデューサーを解任するとともに、大会開催の可否を検討し来週までには判断するとしています。

こうした中、大会に出場予定の33組のうち、中国・河北省の雑技団出身で、5年前の大会のチャンピオンの張海輪さんがNHKの取材に応じました。
この中で、張さんは、「前プロデューサーの文章に関しては、非常に困惑しました」とした上で、「日本のお客様からいただいた、たくさんの力や励ましは財産であり、支えです。だからこそ20年以上、日本で公演を続けています」と述べています。
その上で「新体制となり、大会が開催されるのであれば、大好きなお客様のため、そして日中友好のために参加したい」としています。

一方、ほかの出演予定者の中には、問題の経緯や実行委員会の考え方について説明を求める意見もあり、今後の対応が注目されます。