リニア有識者会議 島田市長“住民にわかりやすい説明を” 

リニア中央新幹線を巡りトンネル工事が計画されている静岡県内の環境保全などを議論する国の有識者会議が開かれ、大井川流域の島田市の市長などが水資源や環境対策について住民へのわかりやすい説明を強く求めました。

「リニア中央新幹線」はJR東海が2027年の開業を目指していますが、静岡県は南アルプスの生態系に影響があるなどとして県内での着工を認めていません。
これについて、国土交通省が設けた有識者会議の4回目の会合が開かれ、関係者によるヒアリングの対象として、大井川流域の自治体の島田市の染谷絹代市長が出席しました。
染谷市長は、市内の湿地に絶滅危惧種が生息していると説明し、「住民には、トンネルの掘削による重金属の流出などの影響を疑問視する声がある」と述べました。
その上で、「住民が工学的な議論を理解するのは難しく情報も足りない。有識者会議では専門的な議論を行った上で住民へのわかりやすい説明をしてほしい」と強く求めました。
また、川根本町の薗田靖邦町長は、文書で、流域住民が安心できる施工計画の作成や工事で発生した土の置き場のリスク管理などを求めました。
会議のあと、静岡県の難波理事は、「JR東海と地域住民の双方向のコミュニケーションが大事だ。県としては、説明が伝わりやすくなる助言を進める」と述べました。
会議では、関係者へのヒアリングを続け論点をまとめていく方針です。