自衛隊派遣要請 “当初は緊急性など判断至らず”
台風15号の影響による断水などの被害を受けた自衛隊への災害派遣要請の遅れが指摘されている問題で、県は、当初は、緊急性などの観点で派遣要請の要件を満たしているという判断には至らなかったとする見解を公表しました。
台風15号の影響で、県内では9月24日以降、静岡市清水区で大規模な断水が起き、各地で孤立集落が発生しましたが、県が、自衛隊に災害派遣要請をしたのは、静岡市などが要請を求めた2日後の26日で、対応の遅れを指摘する意見が県や静岡市に相次いで寄せられています。
こうした中、県は3日、防衛省が「災害派遣の3原則」とするルールに照らした25日までの県の判断についての見解を文書で公表しました。
この中で、まず「緊急性」について、断水は、「給水車が対応し、直ちに生命の危険が生じている状況ではなかった」、孤立集落は、「特定の情報がなかった」として、要件を満たしているという判断には至らなかったとしています。
2つめの「公共性」については「あり」と判断したとしています。
そして、自衛隊でしか対応できない場合を指す「非代替性」については、断水は「対応力を超える場合は自衛隊の支援を要請」などとして、静岡市からの要請がなかったこともあり、要件を満たすとは判断しなかったとしています。
県危機管理部は、「地元の情報をよく確認する必要があった。手続きに遅れがあったとは考えていない」としています。
一方、静岡市の田辺市長は「いろんな指摘を受けているのは承知している。日常を取り戻したあと、対応を検証していく」としています。