記録的な大雨から1週間 浜松市や磐田市などでも影響続く

記録的大雨の影響で浜松市天竜区で発生した住宅3棟に被害が出た土砂崩れの現場では、1週間近くたった今も新たな崩落の危険性があることなどから本格的な土砂の撤去作業に入れていません。
市は復旧を急ぐとともに、現場にあった盛り土が原因になった可能性があるなどとして調べることにしています。

記録的な大雨で、浜松市の天竜区緑恵台では住宅地近くの斜面が約14メートルの高さから崩れて3棟が土砂に巻き込まれ、9歳の男の子を含む家族3人がけがをしました。
市は現場で土砂が流出しないようにブルーシートで覆うなどの作業を進めていますが、新たな崩落の危険性があることなどから本格的な土砂の撤去作業に入れていません。
市のこれまでの調査では、斜面に土が捨てられていたことや、土砂が崩落した起点の場所に盛り土があったことがわかり、それが原因となった可能性があるということです。
近くに住む女性は10年ほど前から頻繁にトラックなどが土砂を運び入れている様子を見ていたとして、「1日何回運んでいたかは分からないが、結構な土砂を積んでいた」と話していました。
また市は、住民から少なくとも4回、「土が運び込まれている」などの情報提供があり、手続きに不手際があった可能性もあるとして、近く第三者委員会を設置して市の対応も含め土砂崩れの原因を調べることにしています。
浜松市天竜区緑恵台で発生した土砂崩れで自宅に土砂が流れ込み妻と子どもとともに巻き込まれた60代の男性が当時の状況について語りました。
男性は「午前0時すぎ、警報がたくさん出ていたので避難をしようかと考えていた時に土砂崩れが発生した。普段は土砂が流れ込んだ寝室で寝ていたが、その日はダイニングで避難を検討していたため無事だった。大人2人は自力で抜け出せたが、子どもは壊れた家の一部に挟まれ2時間後ぐらいに救助されたようだ」と話していました。
また、現在の状況については「土砂が崩れてきた部分を見るとまた流れ落ちてきそうで不安だ。いまは頭が真っ白です」と話していました。

《島田市の違法造成の盛り土 大雨で再び流出》
静岡県が9月に安全対策のため元事業者に代わって工事を始めた島田市の採石場跡地の違法に造成された盛り土は、今回の記録的な大雨で再び流れ出しました。
静岡県は土砂の撤去ともに改めて安全対策の工事を進めることにしています。
島田市福用にある採石場跡地には違法に造成された盛り土があり、大雨の際に近くを走る国道473号線に繰り返し流れ出し、県は元事業者が対策を講じないため9月15日から業者に代わって安全対策の工事を始めました。
静岡県によりますと、この採石場跡地からは今回の記録的な大雨でふたたび土砂が流出し、斜面の下を通る国道の路肩とともに約70メートル離れた大井川鉄道の線路まで流れ出しました。
線路は長さ80メートルに渡って土砂に埋まったということです。
大井川本線はこの土砂流出などによって9月24日から運転を見合わせていて、復旧のメドは立っていないということです。
静岡県は線路上の土砂の撤去とともに改めて安全対策の工事を進めることにしています。

《土砂崩れの磐田市北部の県道 復旧作業続く》
記録的な大雨の影響で土砂崩れが発生した磐田市北部の県道では、依然として2メートルほどの高さまで土砂が残っている場所があり、復旧作業が続いています。
磐田市北部の県道磐田天竜線では、記録的大雨の影響で平松地区と神増地区の2か所で土砂崩れが発生しました。
このうち約500メートルにわたって土砂が流れ出た平松地区では30日までに土砂の撤去がほぼ終わり、工事車両などが通行ができるようになりました。
一方、350メートルにわたり通行止めになっている神増地区では依然として2メートルほどの高さまで土砂が残っている場所があり、重機による撤去作業が続けられています。
県によりますと、神増地区でも来週前半には工事車両が通行できるようになる見通しですが、通行の安全を確保する必要があることなどから一般車両が通れるようになるまでにはさらに時間がかかりそうだということです。
県道沿いで土砂が流れ込んできた墓地の掃除をしていた80代の男性は「いままでないような土砂崩れでした。片付けにはまだ時間がかかりそうです」と話していました。
県道の復旧に向けては、磐田市も1日に対策本部を設置して今後の対応を検討することにしています。
また、市によりますと、1日と2日は1日に約200人のボランティアが入り、被害が大きかった地区で作業にあたる予定だということです。

《ジュビロ磐田の選手たちがボランティア活動》
サッカーJ1のジュビロ磐田の選手たちが、台風15号の影響で床上浸水など大きな被害が出た地元の磐田市で泥の清掃などを行うボランティア活動を行いました。
台風15号の影響でジュビロの地元、磐田市でも被害が相次ぎ、30日午後から多くの建物が浸水した北部の豊岡地区で清掃活動を行いました。
活動にはベテランの遠藤保仁選手などジュビロの選手やスタッフ合わせて60人以上が参加し、校舎が浸水した小学校の周辺で、道路の表面にたまった泥をくわを使って削り取ってバケツなどに集めたあと、水をかけてブラシでこすってきれいにしていました。
ジュビロ磐田は1日に静岡市で清水エスパルスとの静岡ダービーに臨む予定でしたが、10月22日に延期されました。
断水が続く静岡市清水区に物資を届けるなど個人的にも被災者支援の活動を行っていた山田大記選手は、「週末の試合がなくなったこともあって、いつも応援してくれている人たちの力になりたかった。少しでも被災した人たちをサポートできればと思っているし、今後の試合ではプレーを通して大変な思いをしている人たちに元気や勇気を届けたい」と話していました。

《県内の7市町で断水 3市町で孤立地域》
静岡県によりますと、県内では大雨の影響で30日午後1時時点で7つの市や町で断水が続いています。
自治体別では、静岡市清水区の4500戸のほか、川根本町で85戸、浜松市天竜区で41戸、藤枝市で59戸、島田市で18戸、掛川市で80戸森町で4戸となっていて、市や町が各地区に給水タンクを設置するなどして対応しています。
3つの市と町では自動車が行き来できない孤立している地域があります。
自治体別では、静岡市葵区の中藁科と清水区両河内のあわせて16世帯、島田市の川根地区で2世帯、川根本町の壱町河内地区で5世帯となっています。
また、県内の15の市と町で住宅あわせて5650棟に床上や床下が浸水する被害が出ています。

《ツナ缶など製造の工場 断水で稼働停止》
静岡市清水区で起きた大規模な断水の影響で、区内では加工食品メーカーが工場の稼働を停止する影響が出ています。
静岡市の加工食品大手、はごろもフーズでは、清水区島崎町の2つの工場でそれぞれツナ缶とパスタを製造していますが、製造工程の中で大量の水を使用するため、9月26日から工場の稼働を停止しているということです。
会社によりますと、29日から工場でも飲み水としての利用が可能になったことから、30日は稼働に向けた清掃などを行い、パスタの製造工場は2日から、ツナ缶の製造工場は10月3日から稼働を再開することを決めました。
5日連続で工場の稼働を停止するのは機械の定期点検を除いて初めてだということです。
はごろもフーズ新清水プラントの望月浩志工場長は「今回のように長い期間、工場を停止したのは初めてでした。製造工程で大量の水を使うので、改めて水の重要性を認識しました」と話していました。

《ヤマト運輸の一部営業所で集荷業務を停止》
今回の記録的大雨で物流にも影響が出ています。
静岡市清水区にあるヤマト運輸の江尻台町と西大曲町にある営業所では、敷地内に水が流れ込んだ影響で集荷業務を停止していて、住民が荷物を預けられない状況となっています。
このうち江尻台町にある営業所では、事務所の中、約1メートルの高さにまで水が流れ込み、トラックの駐車場にも土砂が残っていました。
ヤマト運輸では、現在、近隣の営業所が臨時で集荷や配達などの業務を行っていますが、一部、数日程度の配達の遅れが出ているということです。
2つの営業所の業務再開の見通しは立っていないということです。