静岡市清水区 断水の約半数世帯で生活用水の供給始まる

台風15号の影響で大規模な断水が続いている静岡市清水区では、27日から県の工業用水などを活用し断水している世帯のおよそ半数でトイレや掃除などに使える生活用水の供給が始まり、住民からは安どの声が聞かれました。

静岡市清水区では台風15号の影響で主な水源である興津川の取水口が流木で塞がれるなどの被害が出て、約6万3000世帯で断水が起きました。
復旧を進める静岡市は27日から、県の工業用水や井戸水、それに取水口に流れ始めた水を使って、断水している世帯の約半数にあたる3万1000世帯でトイレや掃除などに使える生活用水の供給を始めました。
清水区高橋の高木育美さんの住宅では、26日まではペットボトルにためていた水を使ってトイレを流していましたが、27日朝からスムーズに流せるようになったということです。
台所の水もわずかな量しか出ていませんでしたが、ある程度まとまった量が出るようになったことを確認していました。
高木さんは「当たり前のように使っていた水が、改めてありがたいものだと感じました。まだ清水区内では断水している地域もありますし、早く水道の水を飲めるようにしてほしいです」と話していました。
静岡市では28日以降、順次供給範囲を広げていくことにしていていますが、いずれの地域でも飲み水に使えるのは生活用水の供給開始から2日後を見込んでいます。
市では「水が出るようになっても最低限の量の使用にとどめ、検査で安全が確認されるまでは飲まないでほしい」と呼びかけています。
28日以降の供給範囲の拡大の見通しです。
28日に東名高速道路より北側の庵原北部ブロックの3600世帯、29日にJR東海道線より南側から三保半島にかけての三保ブロックの2万1000世帯と新東名高速道路新清水ジャンクション周辺の400世帯、9月30日に日本平側の富士見ヶ丘ブロックの3000世帯と、順次、範囲を広げていく予定だということです。

《水道局が生活用水の供給開始地域で状況確認》
27日午前、静岡市上下水道局の職員が生活用水の供給の対象になっている地域を訪れ、消火栓を開けて水がどの程度流れているのかなど通水の状況を確認して回りました。
職員らは6カ所でチェックし、水の流れは確認できましたが水量は少なかったということです。
静岡市上下水道局水道基盤整備課の定免徹主査は「今は地下水などを暫定的に供給していて蛇口をひねれば水は出ますが、飲用はできないうえ、次の作業に遅れが出るので、トイレなど最低限の使用にとどめてほしい」と話していました。

《自衛隊などが給水活動続ける》
台風15号の影響で大規模な断水が続いている静岡市清水区では27日から約半数の世帯で生活用水の供給が始まりましたが、飲み水としては使えず、依然として水が出ない地域があることから、自衛隊などが給水活動を続けています。
このうち清水区三保にある東海大学海洋学部の駐車場では、御殿場市にある板妻駐屯地に駐屯する陸上自衛隊の部隊が給水活動を行っています。
被災した地域から多くの人たちが車で訪れて列をつくり、持参したポリタンクやペットボトルなどに水を入れてもらっていました。
給水にあたっている部隊によりますと、午後2時の時点で約10トンの水を給水したということです。
訪れた夫婦は「自宅では水がまったく出ないので、飲み水はもちろん、トイレの水など生活に関わるすべての用途で使いたいと思います。給水活動はありがたいです」と話していました。

《内閣府の星野副大臣が取水設備を視察》
台風15号の影響で静岡市清水区で大規模な断水が続いているのを受けて、内閣府の星野剛士副大臣が断水の原因となっている被害を受けた川の取水設備を視察し、「一日も早い復旧に向け全力で取り組む」と述べました。
静岡市清水区では区内に水道水を提供する興津川にある取水口で土砂や流木が詰まって水が取り込めなくなり、24日の昼前から大規模な断水が続いています。
こうした中、27日午前、内閣府の星野副大臣が被害の取水口を視察に訪れ、静岡市の職員から被害や復旧の現状ついて説明を受けました。
市の担当者は、清水区の8割に水道水を供給する取水設備が被害を受けたことで約6万3000世帯で断水が起きたことや、27日から県の工業用水や井戸水を使い約3万世帯にトイレや掃除などに使える生活用水の供給を始めたことなどを伝えていました。
説明を受けた星野副大臣は「1日にも早く復旧できるよう全力であたりたい」と述べました。

《知事と静岡市長が激甚災害の指定を要望》
台風15号の影響で静岡市清水区で大規模な断水が続いているのを受けて、川勝知事と静岡市の田辺市長は視察に訪れた内閣府の星野剛士副大臣に対し、復旧にかかる自治体の費用を国が支援する「激甚災害」への指定を緊急に要望しました。
静岡市清水区では区内に水道水を提供する川の取水口が被害を受け、いまも大規模な断水が続いています。
川勝知事と静岡市の田辺市長は、27日午前中に現場を視察した内閣府の星野副大臣と27日午後に県庁で面会しました。
この中で川勝知事と田辺市長は「住民生活の継続が困難を極めている」などとして、復旧にかかる自治体の費用を国が支援する「激甚災害」への指定を求める緊急の要望書を手渡しました。
その上で川勝知事は「線状降水帯が静岡県を直撃し甚大な被害があった。激甚災害に指定していただければありがたい」と話しました。
田辺市長は「今回の事態に迅速に対応するためには、静岡市と静岡県が一つになって様々な支援に取り組むが、より一層の迅速な復旧には国の力が不可欠だ」と指定を求めました。
面会後、星野副大臣は報道陣に対し「道路や河川などの被害状況を確認し、指定基準に照らして、できるだけ早く判断したい」と述べました。

《災害ゴミ集積場に無関係のゴミ捨てないで》
浸水被害を受けた静岡市清水区では災害ゴミの集積場となっている公園などにさまざまなゴミが山積みになっていて、市は災害と無関係のゴミを捨てないよう呼びかけています。
台風15号の影響で浸水被害を受けた静岡市清水区では、市は自治会からの求めに応じてがれきや畳などの災害ゴミの集積場として公園などを使うことを認めています。
このうち押切地区の公園では、広場部分に家具や家電製品、自転車などが2メートル以上の高さにまで積み上げられ、公園のフェンスが重みで傾いています。
地元の自治会によると、災害と無関係と見られる一般の家庭ゴミの袋もあるほか、地区の外からも廃棄物が持ち込まれているとみられるということで、自治会の役員らが交代で見張っています。
27日も、ゴミを捨てに来た人に「これは会社のゴミですよね」と声をかけて持ち帰るよう求める様子が見られました。
自治会の役員の男性は「収集車が来てもまたすぐ新しいゴミが持ち込まれます。ひどいときには道路まであふれていました。暑さが続くと臭いも心配です」と話していました。
静岡市収集業務課では「水没したわけではないゴミをこの機会に捨てるのは趣旨にそぐわない。災害と無関係のゴミを捨てないようお願いしたい」と呼びかけています。
静岡県によりますと、27日午後1時現在、県内の15の市と町で住宅あわせて4420棟に床上や床下が浸水する被害が出ています。

《飲食街 泥水のかき出し作業に追われる》
断水が続く静岡市清水区の巴川沿いの飲食街では、飲食店の経営者や住民が流れ混んできた泥水のかき出し作業に追われています。
断水の影響で道路や側溝に入り込んだ泥はスコップや手でかき出して袋に入れていく必要があり、復旧に時間がかかっているということで、作業にあたっていた女性は「とにかく今は人手がほしいが情報が伝わってない。こういう現状を知って、ボランティアに来てくださったら助かります」と話していました。

《静岡市に災害ボランティアセンター開設》
台風15号の影響で記録的な大雨となった静岡市で、浸水で使えなくなった家財道具の片づけなどを手伝う災害ボランティアセンターが開設され、受け入れに向けた準備が進められています。
災害ボランティアセンターが開設されたのは、断水が続く清水区をはじめ、葵区と駿河区、それぞれ1か所ずつで、市の社会福祉協議会などが運営します。
清水区のセンターでは泥をかき出すためのスコップやくわなどが持ち込まれたほか、ボランティアの受け入れに向けて受け付け会場の準備が進められていました。
センターによりますとボランティアの事前登録は県内在住者に限定した形で27日から始まり、登録者はすでに300人ほどにのぼっているということです。
登録を希望する人は静岡市災害ボランティアセンターのホームページから申し込むことができます。
泥のかき出しや家財道具の片づけなど実際の活動は29日からを予定しているということです。
村松千春センター長は「すでに50件ほどのニーズをいただております。こうした声に応えるためには多くのボランティアの方の力が必要なので、ぜひ支援をお願いしたいです」と話していました。

《サッカー清水エスパルスが飲料水を無料提供》
台風15号の影響で大規模な断水が続く静岡市清水区に本拠地を置くサッカー・J1の清水エスパルスが、断水している世帯に向けて飲料水の無料提供を行いました。
無料提供は27日午後4時から清水区の日本平にあるIAIスタジアム日本平で行われました。
提供されたのは飲料水が9.5リットル入ったウォーターサーバー用のボトルで、乾貴士選手や清水区出身の立田悠悟選手などが、車や自転車で訪れた人たちに対して次々とボトルを手渡していきました。
清水区の47歳の女性は「水道から生活用水は出るものの飲める水がほしかったので助かりました。料理などに使うつもりです」と話していました。
立田選手は「大変な状況だという話が耳に入っていたので、こうした取り組みができてよかったです。今後はプレーでも困っている人たちを元気づけたいです」と話していました。

《静岡県弁護士会 28日から無料電話相談》
台風15号の影響による記録的な大雨で県内各地で浸水や土砂崩れなどの被害が出たことを受けて、静岡県弁護士会は被災者の生活再建に向けた無料の電話相談を28日から受け付けます。
県弁護士会によりますと、電話相談では公的な支援を受けるために必要な「り災証明書」の申請方法を説明したり、補助金などの公的な支援を紹介したりすることにしています。
この電話相談は28日から行われ、平日の午前10時から午後4時まで受け付けています。
電話番号は054ー204ー1999です。
電話で受け付けたあと担当の弁護士が個別に折り返し電話をかけ、必要に応じて面談による相談にも対応するということです。
静岡県弁護士会の伊豆田悦義会長は「法律問題に限らず、さまざまな支援制度についての情報を提供します。少しでも困りごとがあれば気軽に相談してほしい」と話していました。

《川根本町 行方不明男性の捜索続く》
台風15号の影響で川根本町の陥没した道路に軽トラックが落ちた事故で、警察は27日も、行方がわからなくなっている男性の捜索を行いました。
県内が記録的大雨となった25日未明、川根本町下泉の町道で、道路が陥没してできた穴に軽トラックが転落し軽トラックを運転していた70代の男性の行方がわからなくなっていて、27日も警察は25人態勢で捜索を行いました。
陥没した道路の穴にたまっている水をポンプでくみ上げあげた後、水の高さが腰のあたりまでとなった穴の底を隊員たちが念入りに捜していました。
県警災害対策課の眞野義文課長は「崩落した穴の中にまだいる可能性が高いと思われます。全力を持って1日も早く発見したい」と話していました。
捜索は、28日も行われる予定です。

《取水口の大量の流木 自衛隊が撤去作業開始》
静岡市清水区の大規模な断水の大きな原因となっている興津川の取水口に詰まった大量の流木などについて、陸上自衛隊は午後6時から、御殿場市の板妻駐屯地の隊員のべ20人で撤去作業を始めたということです。
作業は流木などの撤去が終わるまで24時間体制で行われる予定です。