浜松市新区名候補 応募多数の名前選外で特別委紛糾 再検討へ

行政区の再編で、浜松市が市民に募集した新しい区の名前の候補が5日、市議会の特別委員会に示されました。市が一定の条件で選定した結果、応募数が多かった名前が選ばれず市民の意見が反映されていないなどといった意見が出され、名前の候補を再検討することになりました。

浜松市は人口減少などを見据えて行政運営を効率化するため現在7つある行政区を再来年1月に3つの区に再編することを目指しています。
新しい3つの区はいまの天竜区と中区、東区、南区、西区、それに北区の一部が一緒になる区、浜北区と北区の大部分が一緒になる区で、市は7月26日からおよそ1か月間天竜区以外の2つの区の名前について市民に募集しました。
その結果、応募総数は1万3000件を超え2つの区にそれぞれおよそ2400の区の名前が寄せられたということです。
市は、この中から人の名前などの固有名詞を含んでいるものや特定の地区を連想させるなどといった一定の条件にひっかかるものを除外し、応募数が多かった順にそれぞれ5つの案を5日、市議会の特別委員会に提示し、意見を求めました。

議員からは具体的な選定条件が応募要項に書かれていなかったことや、中区を含む区では応募数の多かった18位までが除外されていて市民の意見を反映していないのではないかといった意見が出されました。
市は、こうした意見を踏まえて改めて、それぞれの区で最大で10まで名前の候補を検討した上で、9月8日に開かれる市の審議会に提示することにしています。
その上で、9月下旬には、市民に区の名前を最終的に決める投票アンケートを実施したいとしています。

浜松市区再編推進事業本部の嶋津裕亮副本部長は「未来志向や市の一体感、それに協調性などを配慮して丁寧に選定したが、具体的な条件を付ける中で結果として応募数の多かった名前が排除されてしまった。きょうの意見を踏まえて急ぎ検討したい」と話していました。

5日に市が提示した新しい区の名前の候補です。
〔〕内は、全体における応募数の順位です。

まず、中区、東区、南区、西区、北区の一部で構成する区は
▼奏区(かなでく)〔19〕
▼灘区(なだく)〔20〕
▼曳馬野区(ひくまのく)〔21〕
▼渚区(なぎさく)〔25〕
▼青区(あおく)〔27〕です。
市民からの提案理由は奏区は、楽器や織り機、自動車・バイクが奏でる音、多様な年代、国籍、価値観、産業等が共栄し奏で合うなどが挙げられています。
また、灘区は遠州灘が由来だとか、マリンスポーツの発展を祈念するなどが提案理由とされています。

次に、浜北区と北区の大部分で構成する区は、
▼緑区(みどりく)〔2〕
▼みどり区(みどりく)〔5〕
▼万葉区(まんようく)〔14〕
▼橘区(たちばなく)〔18〕
▼青葉区(あおばく)〔20〕です。
緑区やひらがなのみどり区は、風光明媚で農産物資源に恵まれていることを表すとか緑豊かな地区であることなど、一方、万葉区は万葉集にゆかりがある地域があることなどが理由に挙げられていたということです。

市議会の特別委員会の委員長を務める高林修議員は「行政はきょうの議論が紛糾したことに驚いていると思うが、委員会で出た意見を踏まえてもう一度しっかり検討してほしい」と話していました。

【除外された応募数上位の区名案】
中区を含む新しい区では、応募数順の18番目までの名前が選定条件を踏まえ除外されました。
その条件は、▼固有名詞や人名をつかっている▼いまの区の範囲や特定の地区を連想させる、▼優劣や上下関係を連想させるなど6つの項目で、1つでも該当した場合は候補から外されました。

中区を含む新しい区では、応募が多かった順に
【1】中央区(ちゅうおうく)
【2】遠州区(えんしゅうく)
【3】家康区(いえやすく)
【4】浜松区(はままつく)
【5】浜名区(はまなく)
【6】遠江区(とおとうみく)
【7】浜区(はまく)
【8】遠州南区(えんしゅうみなみく)
【9】曳馬区(ひくまく)
【10】徳川区(とくがわく)
【11】うなぎ区
【12】湖東区(ことうく)
【13】葵区(あおいく)
【13】海区(うみく)
【15】出世区(しゅっせく)
【16】浜中区(はまなかく)
【17】南浜区(みなみはま)
【18】いえやす区
そして、19番目がきょう案として示された奏区になります。
たとえば▽1番目の中央区は、特定の地区や上下関係を連想させるとして2つの項目にひっかかり、▽2番目の遠州区は再編する地域を越える広い範囲を連想させるとして外れました。
3番目の家康区は人名がひっかかりました。
この選定方法について市は応募時に示していた選定基準の「未来志向」や「一体感」、それに「協調性」などをもとに選考過程の中で具体的に基準を検討した結果、6つの条件が設定され、結果として18番目までが除外されたとしています。

一方、浜北区を含む区では、緑区が応募数2位、みどり区は5位、それに万葉区は14位と比較的高い順位のものが入っています。

【市民の声は】
きょう示された名前の候補について浜松市民からはさまざまな意見が聞かれました。

70代の夫婦は「どの候補もとても爽やかで良い名前だと思います。まだしっくりきませんが、名前が決まれば次第に愛着も出てくると思います」と話していました。
また70代の男性は「これまでの中区や東区などの位置や方角を示していただけの名前よりも場所の特徴が表される印象ですが他の地域にもありそうなものばかりで浜松ならではを感じられません。もっと地元になじみのある名前の方がよいのではないかと思います」と話していました。

一方で、20代の女性は候補名の印象は良いとした上で18位までが除外されたことについて、「最初に条件を示さなかったのが良くないと思う。急いで決めるのではなく、こういうのはダメだよときちんと例示をした上で応募をやり直しても良いのではないか」と話していました。