盛り土の問題で措置命令に元所有者側が命令に応じられない弁明

去年7月に熱海市で起きた土石流の起点にあった盛り土の造成場所に残されている大量の土砂をめぐり、安全対策を講じるよう措置命令を出された造成当時の土地の所有者側が、命令には応じられないとする弁明の書類を、19日県に提出したことが関係者への取材でわかりました。

去年7月に熱海市で起きた土石流の崩落の起点にあった盛り土をめぐっては、造成場所にいまも県の推計で2万1000立方メートル分の土砂が残っているとみられています。
熱海市は5月末、元所有者側に土砂の崩落を防ぐための安全対策を講じるよう措置命令を出し、6月末までに工事の計画書を提出するよう求めていましたが期限までに提出はありませんでした。
7月から盛り土の規制や罰則を強化した県の条例が施行され、規制の権限が熱海市から県に移ったことから、県は元所有者側に19日までを期限に弁明の機会を与えることを文書で通知していました。
これに対し、元所有者側が19日「過去の盛り土行為について、7月から施行された条例をさかのぼって適用することは許されない」などとして、命令には応じられないとする弁明の書類を県に提出したことが関係者への取材でわかりました。
元所有者の代理人の平井貴之弁護士は「条例をさかのぼって適用するのは憲法上の重大な問題がある。また、元所有者が残っている盛り土の造成に関与したという裏付けや証拠は見当たらない。仮に措置命令が出れば取り消しを求める裁判を起こすことを検討する」と話していました。
こうした弁明について、県の関係者はNHKの取材に対し、「元所有者側が盛り土を造成した事実は変わらないので、新しい条例に基づいて対応していく」と述べ、近く元所有者側に土砂の撤去などを求める措置命令を出す方向で検討していることを明らかにしました。