熱海の被災現場での砂防ダムの主要えん堤が9月中旬に完成へ
去年7月に熱海市で大規模な土石流が発生してから3日で1年となりました。
土石流の被災現場で建設が進められている砂防ダムについて、国土交通省は、土砂の流れをせき止める主要なえん堤が、ことし9月中旬に完成する見通しであることを明らかにしました。
熱海市の伊豆山地区で起きた土石流の起点にあった盛り土の造成地には、県の推計で2万立方メートルを超える土砂が残っているとみられ、国土交通省はことし4月から、新たにコンクリート製の砂防ダムを建設する工事を進めています。
現場では、4日も、コンクリートを型枠に流し込む打設作業などが行われたということです。
これまでの工事で、土砂の流れをせき止める主要なえん堤は7メートルの高さになっていて、国土交通省は、13メートルの高さまで打設を終えて完成するのは、ことし9月中旬になる見通しであることを明らかにしました。
国土交通省・熱海緊急砂防出張所の竹内宏所長は「今後、去年の土石流が発生した時と同じような大雨が降る可能性もあるので、さまざまなことを想定しながら、関係機関と連携して対策を進めたい」と話していました。
国土交通省は、補助的なえん堤なども含めて、来年2月中旬までに、砂防ダム全体を完成させたいとしています。
土石流の発生から1年がたった熱海市伊豆山地区では、台風の接近に伴い、地元の住民から再び土砂災害が起きることへの不安の声が聞かれました。
クリーニング店を営む60代の女性は「大雨に備えて、店舗の床を高くするなど工夫をしていますが、盛り土の造成現場に土砂が残されている限り、不安な気持ちはぬぐえないです」と話していました。
また、吹きガラス工房を営む30代の男性は「いまだに、雨が降り泥の臭いがすると、去年の土砂災害を思い出します。台風が近づいているので、大雨とならないか心配です」と話していました。