リニア中央新幹線で国の有識者会議が環境保全に向けた議論開始

静岡県が着工を認めていない「リニア中央新幹線」をめぐり、国の有識者会議がトンネル工事が計画されている地域の生態系など環境保全に向けた議論を始めました。
ただ、とりまとめの時期のめどはたっておらず、議論が長期間に及ぶ可能性もあります。

リニア中央新幹線について、JR東海は2027年の開業を目指していますが、工事の許可の権限を持つ静岡県は、地下のトンネル工事によって大井川の水量が減ることや南アルプスの生態系に悪影響が出る懸念があるとして着工を認めていません。
これについて、国がJR東海と静岡県の仲裁に入る形で設けた有識者会議は、8日開いた会合で環境保全に関する議論を始めました。
この中では、今年夏から秋にかけて、現地の視察や地元の関係者からの聞き取りを行い、調査すべきポイントを整理していくことなどが確認されました。
事務局を務める国土交通省は有識者の意見を踏まえて議論すべき具体的な項目を決める方針で、とりまとめの時期のめどはたっていないとしていて、議論が長期間に及ぶ可能性もあります。
水資源の問題については、同じ有識者会議が去年12月、悪影響は抑えられるなどとした中間報告をまとめていて、JR東海と静岡県の間で協議が続いています。
8日の会合にオブザーバーとして出席した静岡県の難波喬司理事は記者団に対し、「議論が始まって非常に良かった。今回の会議では座長が丁寧に議論を進めていく方向性を示していたので、しっかりとした検討が進むことを期待している」と話していました。