リニア工事で国の有識者会議に川勝知事が文書でコメント出す

岸田総理大臣が、リニア中央新幹線の工事に伴う環境への影響に対する静岡県の懸念も踏まえ、近く、環境保全に関する国の有識者会議を設置する考えを明らかにしたことを受け、川勝知事は30日、文書でコメントを出し、「地下水位の低下などによる生態系への影響を回避する具体的な提言が示されることを期待する」との考えを示しました。

リニア中央新幹線の工事をめぐり、県は工事で減少する水の全量戻しとは別に、JR東海に対し、生態系への影響を回避するための対策を訴え、生物多様性に関する有識者会議の開催を国土交通省に求めてきました。
こうしたなか、28日、山梨県の「山梨リニア実験センター」などを訪れた岸田総理大臣は、静岡県の懸念も踏まえ、近く、環境保全に関する国の有識者会議を設置する考えを明らかにしました。
これに対し川勝知事は30日、文書でコメントを出しました。
このなかでは、会議の目的を国土交通省によるJR東海への指導とすることを求めたほか、委員の選定は中立公平に行うことなど透明性を強く求めています。
さらに、「地下水位の低下などによる生態系への影響を回避する具体的な提言が示されることを期待する」としています。
県によりますと、この国の有識者会議は6月上旬に開催が予定されているということです。