ポケモンGO 30日から仙台でイベント 準備進む

スマートフォン向けのゲームアプリ「ポケモンGO」のイベントが、5月30日から仙台市で開かれるのを前に、市内各地では準備作業が進められています。

「ポケモンGO」は、スマートフォンのカメラと位置を把握するGPS機能を使って、実際の風景の中に現れたキャラクターを集めたりするもので、世界中で人気となっています。
ことしは、仙台市とニューヨーク、それにマドリードの世界3都市が開催地に決まり、仙台市では、5月30日から6月2日までの4日間開かれます。
ゲームに参加するには有料のチケットが必要で、仙台市のメイン会場となる泉区の七北田公園では、珍しいポケモンに出会えるなど特別な体験ができるほか、市内各地で街歩きを楽しみながらキャラクターを集められる10の公式ルートも設けられています。
イベントを前に、参加者を迎え入れるための準備が市内各地で進められていて、このうち市内中心部の定禅寺通では、作業員2人がイベント名や伊達政宗の騎馬像が描かれた旗を街灯に取り付けていました。
市によりますと、旗は市内の商店街などに480枚余り飾られるということです。
また仙台駅構内では、キャラクターや「ようこそ仙台へ」と描かれた大きな旗が、天井から吊り下げられていました。
このイベントが国内で開かれるのは、横浜、札幌、大阪に次いで4か所目で、主催者側によりますと、去年の大阪では、およそ6万人がゲームに参加し、宿泊費や飲食費などを含めた経済効果は54億円余りと試算されています。
仙台市観光課の日下和彦課長は「今回のイベントをきっかけに、仙台をまた訪れたいと思ってもらえるようにしたい」と話していました。

【満室見込みのホテルも】
イベントの影響で仙台市内のホテルでは、期間中の宿泊予約が相次ぎ、満室の見込みとなっているところもあります。
市内で13のビジネスホテルを展開する会社のホテルでは、イベントの開催が発表されてから、宿泊予約が相次いでいるということです。
このうち仙台市青葉区の商店街にあるホテルでは、宿泊予約が5月30日のイベント初日が9割、2日目と3日目も8割がすでに埋まっていて、イベント以外の客の宿泊も予定されていることから、期間中は満室になる見込みだということです。
運営するほかの12のホテルでも平均して8割が予約で埋まっているということです。
ホテルを運営する「松月産業」の取締役田所成章さんは「イベントの発表があってから予約が殺到しています。お客さんには『仙台がいい街だった』と笑顔で帰ってもらえるように準備していきたい」と話していました。

【10の公式ルートが設定】
イベントには、県外や海外からも多くの人が訪れると見込まれていることから、仙台市内の街歩きを楽しみながらゲーム内でキャラクターを集めたり、バッジがもらえたりする10の公式ルートが設けられています。
公式ルートには、仙台城跡や温泉街などの観光地のほか、東日本大震災について知ってもらおうと「震災遺構」となっている荒浜小学校も含まれていて、仙台市のグルメや美しい景観、歴史などが体感できるようになっています。

【商店街も集客に期待】
「仙台食べ歩きルート」となっているクリスロード商店街にあるお茶の販売店では、集客を期待して新商品を前倒しして販売することにしました。
新商品は、枝豆のつぶつぶの食感が楽しめる「ずんだシェイク」に、串に刺さったずんだ餅が載っていて、食べ歩きしながら仙台の味を存分に楽しめるようになっているということです。
「お茶の井ヶ田仙台中央本店」の後藤新店長は「仙台に遊びに来る方も多いということで、イベントに合わせたかたちで販売することにしました。訪れた人には宮城の名産を楽しんでほしいです」と話していました。

【地下鉄乗り放題チケットも】
仙台市では、公共交通機関を使って街なかを周遊して楽しんでもらおうと、期間中、地下鉄を乗り放題にする初めての取り組みも行われます。
イベントに合わせて販売されている仙台市地下鉄のチケットは、24時間券が大人500円、子ども250円36時間券が大人700円、子ども350円の2種類です。
時間制の乗り放題は今回が初めての取り組みで仙台市は、地下鉄の利用促進につなげたいとしています。
利用する際は事前にスマートフォンなどで購入し、改札では、駅の係員がいる窓口で、改札用の画面を見せると通過できるということです。

【混雑による事故防止へ 警備強化も】
警察は、イベント期間中の混雑による事故などを防止するため、メイン会場となる七北田公園から仙台市地下鉄南北線の「泉中央駅」までの道路を中心に、警備を強化することにしています。
イベントの参加者に対しては、交通事故や転倒などにつながるおそれがあるとして、歩きながらスマートフォンを操作しないよう注意を呼びかけています。