“巨大顕微鏡”ナノテラス 企業などの利用が始まる

仙台市にある世界最先端の研究施設「ナノテラス」の企業などの利用が9日から始まり、食品や磁石など県内外の4つのメーカーがさっそく実験を行いました。

仙台市青葉区の東北大学の敷地に設けられた「ナノテラス」は放射光と呼ばれる非常に明るい光で、ナノメートル=100万分の1ミリというレベルで物質を分析できる世界最先端の研究施設で「巨大な顕微鏡」とも呼ばれています。
9日から本格運用が始まり、事前に申請した県内外の4つのメーカーがさっそく実験に臨みました。
このうち、宮城県登米市にあるうどんやそばなどの製麺会社は、ナノテラスを使って、麺に含まれるデンプンの結晶構造を分析しました。
滑らかでほぐれやすいフリーズドライの製品開発に生かしたいとしています。
二階堂玲子社長は「地元の企業が身近な食卓にあるものを開発できるのが何より新しいと実感した」と話していました。
9日は、このほか、利府町の精密部品の製造加工会社や広島市にある磁石や電池などの部品メーカー、それに神戸市の大手タイヤメーカーが実験を行いました。
施設を運営する法人の高田昌樹理事長は「利用した企業からさっそく成果があったという声があり驚いている。日本の科学技術が大きく変わるイノベーションがここから生まれることを期待している」と話していました。