段ボールのジオラマで津波を視覚的に知る 多賀城市立図書館

東日本大震災から13年になるのを前に防災について考えてもらおうと、多賀城市でまちの地形を段ボールで再現し、津波による浸水の範囲などを伝えるジオラマの展示が10日から始まりました。

この展示は、多賀城市内に震災の痕跡を伝える建物などがほとんどないことから、震災の伝承や防災意識の向上などに役立てたいと、仙台市が手がける産学官などによる事業、「BOSAI−TECH」の一環で企画されました。
多賀城市立図書館に展示されたジオラマは市の地形を7500分の1の縮尺で段ボールで再現し、プロジェクションマッピングで実際の津波の浸水の範囲や、県が公表した津波浸水想定のシミュレーションを見ることができます。
さらにスマートフォンで指定のQRコードを読み込んでジオラマにかざすと、多賀城高校災害科学科の高校生による津波の記憶を伝える動画などが映し出されます。
ジオラマをみた小学2年生の女の子は「学校で津波について勉強したけれど、怖いと思った」と話していました。
また40代の父親は「津波がどこまで来るかが視覚的に理解できた。家族で話し合うきっかけになります」と話していました。
多賀城市危機管理課加藤雄一副主幹は「震災を知らない世代が増えているので、こうした取り組みをきっかけに若い世代に知ってもらい防災に役立ててほしいです」と話していました。
このジオラマは来月11日まで展示されています。