札幌 中学生いじめ自殺 女子生徒の両親が札幌市を提訴

3年前に札幌市の中学1年生の女子生徒がいじめが原因で自殺した問題で、生徒の両親が、市に対してあわせておよそ6500万円の損害賠償を求める訴えを札幌地方裁判所に起こしました。

訴えを起こしたのは、同級生からいじめを受けて3年前に自殺した札幌市の中学1年生の女子生徒の両親です。
訴状などによりますと、女子生徒は小学5年生のころから同級生のいじめを受けるようになり、被害を訴えていたにもかかわらず学校が放置したことで精神的に追い詰められ、さらに中学校でもいじめ防止の対策を怠った結果、自殺に至ったとして、札幌市に対してあわせておよそ6500万円の賠償を求めています。
女子生徒の自殺を巡っては、札幌市教育委員会が去年12月、具体的ないじめの内容を黒塗りにした調査報告書を公表しましたが、遺族などの声を受けてことし2月になって黒塗りの大部分を外して改めて公表したほか、当時の校長や担任を減給などの処分にしていました。
提訴について両親はコメントを出し、母親は「娘は、家では明るく自ら笑いをとり家族を笑顔にさせてくれる存在でした。何度もいじめについて担任に相談し助けてほしいと言ったのに何もしてくれませんでした。どれだけ娘が悩み苦しんでいたかと思うと悔しくてなりません」としています。
父親は「小学校の対応に納得がいかず市教委の隠蔽体質がこれほどまでにひどいものかと感じる対応ばかりでした。娘はもう戻りません。学校の先生方や市教委には娘を死に追い込んだことについて責任を自覚し償ってほしい」と訴えています。
また、提訴のあと両親の代理人弁護士が会見し、「女子生徒が亡くなったあとの調査報告書の公開のしかたにも問題があり、2度と同じようなことが起こらないようにしたいという思いから訴えを起こした」と話しました。
札幌市教育委員会は「訴状が届いたら内容を確認し対応を検討したい。基本的にいじめはあってはならないことだと考えており、悲しい事故を二度と起こさないよう未然防止に誠心誠意取り組んで参ります」などというコメントを出しました。