むかわ町で自衛隊車両と大型バスが正面衝突 隊員1人死亡

24日午後、胆振のむかわ町の国道のトンネルで、陸上自衛隊の車両と大型バスが正面衝突し、自衛隊の車に乗っていた隊員1人が死亡し、バスの運転手を含む7人がけがをしました。

24日午後0時半ごろ、むかわ町穂別福山にある国道274号線の「モトツトンネル」で陸上自衛隊帯広駐屯地の「高機動車」と呼ばれる車両と、帯広市のバス会社の大型バスが正面衝突しました。
自衛隊の車には、20代から40代の男性隊員あわせて7人が乗っていて、このうち助手席に乗っていた帯広市清流西2丁目の猪田慎二さん(44)が心肺停止の状態で病院に搬送され、その後、死亡が確認されました。
そのほかの6人の隊員もけがをしましたが、命には別状はないということです。
また、バスを運転していた57歳の男性もけがをして病院に搬送されましたが命に別状はなく、事故当時、バスには乗客はいなかったということです。
トンネル内にいた別の車の運転手によりますと、自衛隊の車はもとの形が分からないほど激しく壊れていたということです。
現場はトンネル内の片側1車線の道路で、札幌側の出入り口からおよそ380メートル入った場所で警察はどちらかが反対車線にはみ出したとみて詳しい状況を調べています。
この事故の影響で、国道274号線は午後5時現在、むかわ町穂別稲里と日高町宮下町の間のおよそ33キロが通行止めとなっています。
陸上自衛隊によりますと、バスと衝突したのは、帯広駐屯地に所属する「高機動車」と呼ばれる隊員や資材を輸送する最大10人乗りの車両で、訓練に参加したあと帯広に戻る途中だったということです。
また、車両の後部は観音開き式の扉が付いていて、ほろも取り付けることができるということです。
陸上自衛隊では、ほかにけが人などがいないか、事故の詳細について確認しているということです。
一方、自衛隊の車両と衝突したのは、帯広市に本社がある「おびうん観光」の大型バスだということです。
会社によりますと、事故当時、乗客はおらず、運転手1人がけがをして病院で手当てを受けているということです。
この会社は、貸し切りバスのほか、帯広と新千歳空港を結ぶ都市間高速バスなどを運行していますが、会社はNHKの取材に対し、衝突したバスがどこに向かって走行していたのかは担当者が不在のため分からないということです。

【事故現場の様子】
トンネル内で事故現場に遭遇した視聴者が、安全を確認するため運転していた乗用車を一時停止した際に撮影した画像です。
画面右側の車線には、大型バスと自衛隊の車両が正面衝突し、車両の周辺には複数の自衛隊員が状況を確認している様子がみられます。
運転していた視聴者によりますと、バスと自衛隊の車両は、それぞれのフロントガラスが大きく壊れていたほか、事故は発生直後だったため、救急車やパトカーなどの緊急車両は到着していなかったということです。