【解説】札幌市 市街地の重点エリアでクマ対策強化の方針

市街地でのクマ対策について札幌市で動きがありました。
担当の渡邉記者が解説します。

きょうは観光客なども多く訪れる札幌の市街地に近い重点エリアの対策を強化しようという会議が開かれました。
専門家などが参加し、ヒグマの駆除を進める方針を確認しました。
具体的には▽クマの毛を採取してDNAなどを調べる「ヘアトラップ調査」の地点を8か所程度に増やし個体ごとの活動エリアを把握すること、そして▽クマを捕獲するための「箱わな」を設置し駆除を進めることなどを検討しています。


札幌の市街地に近い場所でも駆除の必要があるということか?


今回の対策の対象となる「重点エリア」。
円山動物園や藻岩山など、よく知られた観光地も含まれています。
しかし、近年はクマの目撃が相次いでいて昨年度は67件と2013年度以降、最も多くなりました。
エリア内には複数のメスのクマが定着していることも確認されています。
市の中心部を一望することができる旭山記念公園では、去年10月公園の入り口近くで目撃情報があり、公園は一時、閉鎖される事態となりました。


市の対策、今後はどう進められるのか?

きょうの会議では観光地や市街地への侵入を防ぐ対策も話し合われました。
例えば、▽観光施設や公園などの近くに電気柵を設置すること、そして▽クマが好んで食べるクルミの木を伐採することなどが必要だとしています。
市の担当者は次のように話しています。
「メスのクマが定着していて、今後、子どもを産み、どんどん増える懸念がある。人の出入りが多い場所で遭遇リスクが高いので対策を強化しながらリスクを減らしていきたい」
市は専門家などの意見を踏まえて、今月下旬にも重点エリアの対策プランを公表することにしています。