小樽市・余市町で計画の風力発電事業 双日が計画の中止を発表

大手商社の双日は、小樽市と後志の余市町で計画していた風力発電事業について、会社の投資基準に合致しないとして計画を中止すると発表しました。この計画をめぐっては、小樽市の迫俊哉市長が生態系や景観上の影響への懸念などを理由に「計画を是認できない」とする意見を鈴木知事に提出していました。

双日は、小樽市と余市町にまたがる国有林に最大26基の風力発電機を設置する風力発電事業を計画し、ことし1月には環境影響評価の調査結果などをまとめた準備書を公表していました。
この風力発電事業について双日は17日、計画の検証を再度行った結果、会社の投資基準に合致しないとの結論に至ったとして計画を中止すると発表しました。
中止の理由について双日は、資材高騰などを背景に全体の工事費が当初の計画と比べておよそ3割増大したことや一部の地元住民から賛同を得られなかったためなどとしています。
この計画をめぐっては、小樽市の迫俊哉市長が今月13日に、生態系や景観上の影響、土砂災害への懸念などを理由に「計画を是認できない」とする意見を鈴木知事に提出していました。
計画の中止について双日は「このような結果となり残念です。自治体に直接伺いご説明させていただく機会は出来るだけ設けたい」としています。
小樽市の迫俊哉市長は「計画中止は、市の意見を重く受け止めていただいたものと思っております。今後とも生活環境や自然環境との調和を図りながら脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいりたい」とコメントしています。