ラグビーリーグワン ワイルドナイツ優勝ならず

ラグビーリーグワン ワイルドナイツ優勝ならず

ラグビーリーグワンのプレーオフトーナメント決勝が東京・国立競技場で行われ、埼玉パナソニックワイルドナイツは、20対24で東芝ブレイブルーパス東京に敗れて優勝を逃し、今シーズンかぎりで引退する堀江翔太選手の有終の美を飾ることができませんでした。

決勝はレギュラーシーズン16戦全勝のワイルドナイツと2位のブレイブルーパスの顔合わせとなり、国立競技場にはリーグワン最多となる5万6486人の観客が詰めかけました。
前半、ワイルドナイツはスタンドオフの松田力也選手が2つのペナルティーゴールを決めて6対0とリードしましたが、徐々に相手にペースを握られて逆転を許し、前半を6対10でリードされて折り返しました。
ワイルドナイツは後半開始から今シーズンかぎりでの引退を表明している堀江翔太選手などフォワード最前列の3人を交代して巻き返しを図り、両チームともトライを2つずつ奪って20対24と4点差を追って終盤に入りました。
そして終了間際の39分、連続攻撃から途中出場のウイング、長田智希選手がトライを決めて土壇場で逆転したかと思われましたが、ビデオ判定の結果、トライにつながる前の堀江選手のパスがスローフォワードとなってトライが取り消されました。
ワイルドナイツは、昨シーズンに続いて決勝で敗れ、堀江選手の有終の美を飾ることができませんでした。
堀江選手は「最後は負けてしまったが、プロ生活15年間、幸せな、最高のラグビー人生が送れたと思う。相手は非常にフィジカルがあり、どうなるか分からない試合で最後の最後で運がついてこなかった。プロとして最後負けてしまったら意味がないと思うが、今まで勝ち続けたことは誇りに思うし、出ていないメンバーを含めて胸を張っていいと思う」と落ち着いた様子で試合を振り返りました。
そのうえで引退について問われると「ここからは嫌なプレッシャーから解放されると思うとホッとしている。本当に悔いなく、ラグビー人生を終えることができた。生まれ変わってもラグビーはしません。それくらい幸せなラグビー人生を送れたと思う」と笑顔で話し、最後まで独特の“堀江節”で会場を沸かせていました。

ラグビーリーグワンのプレーオフトーナメントの決勝で惜しくも敗れた埼玉パナソニックワイルドナイツの地元、熊谷市ではファンから選手をたたえる声が聞かれました。
ワイルドナイツが拠点とする熊谷ラグビー場の近くにあるカフェには、地元のファン10人余りが集まり、決勝をテレビで見守りました。
ワイルドナイツは前半の途中で逆転されて以降、追い上げる形になりましたが、後半、トライを奪い合う展開になるとワイルドナイツが得点をあげるたびに歓声があがっていました。
終了間際には逆転かと思われたトライがビデオ判定の結果、その前のパスに反則があったため取り消されると、会場は静まり返りました。
ワイルドナイツはそのまま敗れましたが、ファンは拍手を送るなどして選手たちをたたえていました。
40代の男性は「悔しいですが、決勝にふさわしい見ごたえのある試合でした。来年こそは、王座を奪還できるよう応援したいです」と話していました。
50代の男性は「とてもよい試合で、熊谷の誇りだと改めて感じました。堀江翔太選手は引退されると聞いていますが、できることなら次のシーズンもプレーを見たいです」と話していました。