埼玉県立高校共学求める市民団体「公教育は開かれているべき」

男子校、女子校がある埼玉県立高校を共学化すべきとする勧告が去年出たことについて、共学化を求めている市民団体が10日会見し、「ジェンダー平等での見直しが不可欠で、公教育は誰に対しても開かれているべきだ」と訴えました。

埼玉県の男女共同参画の問題に対応する苦情処理委員は、「男子校が女子の入学を拒むのは是正されるべき」とする県民からの申し出を受けて、「男女の役割を定型化する概念は撤廃が求められる」などとして去年8月、県教育委員会に対し男子校、女子校の県立高校合わせて12校を早期に共学化すべきとする勧告を行っています。
共学化を求めている市民団体「共学ネット・さいたま」は10日、さいたま市で会見し、「ジェンダー平等での見直しが不可欠で、公教育は誰に対しても開かれているべきだ」と訴えました。
また、共学化は心と体の性別が一致しないトランスジェンダーの人など性的マイノリティーの権利を守ることにもつながると主張しました。
市民団体の田辺美弥子世話人は「愛校心があるのは分かるが、人権やジェンダーを考えると共学の方がよい。共学化で起きる摩擦を生徒は乗り越えられると思う」と話していました。
共学化の勧告をめぐっては、在校生や卒業生を中心に男子校や女子校を選べる多様な環境を奪わないでほしいという意見もあがっていて、埼玉県教育委員会はことし8月に方針をまとめることにしています。