介護施設送迎車事故 75歳被告「仕事少なく若いほうが有利」

さいたま市の介護施設で利用者2人を送迎車ではねて死亡させたほか、年齢が若くなるように偽造された運転免許証のコピーを提出していた罪に問われている75歳の被告の裁判が開かれ、被告は被害者に謝罪するとともに「コロナ禍で仕事が少なく年齢が若いほうが有利になると思った」と述べました。

窪島達郎被告(75)は去年9月、さいたま市見沼区の介護施設で80代の利用者2人を送迎車ではねて死亡させたほか、年齢が7歳若くなるように偽造された運転免許証のコピーを施設側に提出していたとして過失運転致死傷や偽造有印公文書行使の罪に問われています。
3日は被告人質問が行われ、事故当日の状況について「出発が遅れて焦っていた中、誤ってアクセルを踏んだ。取り返しのつかないことをして被害者に大変申し訳ない」と謝罪しました。
年齢を偽ったことについては「経済的に余裕がなく運転手のアルバイトに応募した。コロナ禍で仕事が少なく競争率が高いと考え年齢が若いほうが有利になると思った」と述べました。
また交通違反の積み重ねで応募する1か月前に免許停止30日の処分を受けていたことを明らかにしました。
一方、遺族の意見陳述で「被告が年齢を偽ってなければ採用されず、母親は死んでいなかったはずでふびんでならない」などとする意見が読み上げられました。
裁判は3日で結審し、判決は今月22日に言い渡されます。