JR東日本の新幹線 また長時間運転見合わせ トラブル相次ぐ

JR東日本の新幹線で長時間、運転を見合わせるトラブルが相次ぐなか、2日早朝、東北新幹線の福島駅付近で線路の点検用の車両からエンジンオイルが漏れ、除去作業などを行った影響で、全線再開までにおよそ5時間半かかりました。
JRがオイル漏れの原因を調べています。

JR東日本によりますと、2日午前5時すぎ、東北新幹線の福島駅と白石蔵王駅の間で始発前の線路の点検を行っていた専用の車両から、エンジンオイルおよそ20リットルが線路上に漏れ出しました。
オイルはエンジンの給油口付近から漏れたとみられ、16.5キロ余りにおよぶ区間で断続的に、線路上への付着が確認されました。
この影響で、東北新幹線は午前7時ごろから、東京駅と仙台駅の間の上下線で運転を見合わせ、全線再開までにおよそ5時間半かかりました。
およそ4万3500人に影響が出たということです。
JR大宮駅では、きっぷの変更や払い戻しをしようとする人が長い列を作っていました。
福島県の自宅に戻る予定の30代の女性は「子どもを預けて、引っ越し先の下見に来ていたので、新幹線が止まったと知ってどうしようと思っていました。きょう中には戻ることができそうで安心しました」と話していました。
オイル漏れは、2日朝発生した岩手県や青森県などでの地震によるものではないとしていて、JRが原因を調べています。
JR東日本は「多くのお客様にご心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」とコメントしています。
JR東日本の新幹線をめぐっては、ことし1月に上野駅と大宮駅の間で架線の張りを調整する部品が破断し、垂れ下がった架線に走行中の車両が接触したほか、先月には福島県の郡山駅でオーバーランするなど、長時間にわたって運転を見合わせるトラブルが相次いでいます。
鉄道システムに詳しい工学院大学の高木亮教授は「何年かに1回起きるレベルのトラブルが、最近は立て続けに起きている」と指摘します。
高木教授は、部品や機材などを耐用年数ギリギリまで使うことがトラブルの背景にあるとみていて、更新を抑えてしまうと、同様のトラブルが続きかねないと懸念を示しています。
その対策として、「古いものを新しいものに取り替えていくのは時間もコストもかかるため、トラブルが起きたときに臨時列車をすぐに動かせるシステムを構築することも大切だ」と指摘しています。
また、「現場は設備が増える一方で人手が減るような状況で多忙になっていて、高い技術力を熟練社員から若手社員に伝えるのが難しくなっている」とも話していました。