埼玉 加須市で震度5弱(09:08)

埼玉 加須市で震度5弱(09:08)

21日午前9時8分ごろ、埼玉県と栃木県で震度5弱の揺れを観測する地震があり、県内では加須市で震度5弱の揺れを観測しました。
この地震による津波はありませんでした。

県内の各地の震度は震度5弱が加須市、震度4がさいたま市大宮区、見沼区、浦和区、南区、緑区、川口市、行田市、春日部市、羽生市、鴻巣市、桶川市、久喜市、幸手市、白岡市、宮代町、杉戸町でした。
埼玉県災害対策課によりますと、午前11時の時点で被害やけが人の情報は確認されていないということで、引き続き情報収集にあたっています。
震度5弱を観測した加須市によりますと、加須市の中学校では、地震のあと、校舎の廊下の天井から長さ2メートルほどのアルミ製のパネルが落下しているのが見つかりました。
けが人はいませんでしたが、学校は地震の揺れで外れたものとみています。
パネルの落下が見つかったのは、加須市麦倉にある加須市立北川辺中学校です。
学校によりますと、地震のあとの休み時間に、生徒が校舎2階の廊下に天井に取り付けられていたパネルが落下しているのを見つけたということです。
落下したパネルはアルミ製で長さ2メートル、幅30センチ、重さは3キロほどで、特別教室のある校舎と渡り廊下とをつなぐ部分の天井に取り付けられていました。
地震が発生した時は授業中で、生徒や教職員にけがはなかったということです。
学校は地震の揺れで外れたものとみていて、落下したパネルのとなりにもう1枚、長さ1メートルほどのパネルが残っているため、この場所を立ち入り禁止にしています。
北川辺中学校の井上泰則教頭は、「今までにこういうことはなかったので驚いているし、非常に恐ろしいことだと思う。同じことが起きないようよりいっそう安全点検をしていきたい」と話していました。
市内の北川辺中学校の校舎の2階の天井のアルミパネルが落下しているのが確認されたということです。
加須市内では地震のあと、市の複合施設の「パストラルかぞ」と「キャッスルきさい」、それに鴻茎小学校、大利根地域の福祉会館、このほか、東武鉄道の加須駅と花崎駅でエレベーターが停止していることが確認されていて、現在、業者が順次、復旧作業を進めているということです。
市内では、旧騎西町の地域の揺れが大きかったという情報もあり、市は引き続き、警察や消防などと連携しながら情報収集を進めています。
加須市の化粧品店では、棚に置いてあった商品10点ほどが地震の揺れで落ちました。
地震が起きた時は営業が始まっておらずけが人はいませんでした。
経営者の72歳の男性は「店の上の階にある自宅にいましたが、ズンという音がして揺れたあと、15秒ほど横揺れがありました。最近地震が続いていますが、防ぎようがないので不安です」と話していました。
加須市の中心部に住む70歳の男性は「自宅のソファに座っていましたが、横揺れが長くて、すぐ火を消しました。地震が続いているので、家族で話して対策をしたい」と話していました。
震度4を観測したさいたま市浦和区にあるコンビニエンスストアにいたNHKさいたま放送局の職員によりますとドンという大きな縦揺れがあったあと、立っていてもわかるような揺れを5秒ほど感じたということです。
店員はすぐに出入り口を開放し、避難を呼びかけていました。
この店では棚の商品が落ちるようなことはありませんでした。
地震の影響で一時、新幹線が運転を見合わせたさいたま市のJR大宮駅では多くの利用客が運行情報を確認したり、駅員に問い合わせたりしていました。
新潟市に出張に行く予定の40代の会社員の男性は「大宮駅に着いてから、新幹線が止まっていることを知りました。なるべく早く、お客さんのところに行きたいのです。阪神淡路大震災を経験していて地震が起きた時は、震災を思い出しました」と話していました。
また、北海道に帰る予定の70代の女性は「地震が起きた時は朝霞市にいて、ドンと強い縦揺れのあと、数秒揺れました。テレビを見て、新幹線が止まっていることを知り、早めに駅に来ました。慣れない土地で地震に遭い怖かったです」と話していました。
このほか県内の広い範囲で震度3や震度2の揺れを観測しました。
震源地は茨城県南部で、震源の深さは46キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.3と推定されています。
今回の地震について、政府の地震調査委員会の委員長で東京大学の平田直名誉教授は、「震源となった茨城県南部を含む関東南部では、震度5弱程度の揺れを伴う地震がたびたび起きている場所だ。今後数日間、特に2、3日ほどは同じ程度の規模の地震に注意し地震活動の状況は気象庁の情報も参考にしてほしい。耐震化していない住宅などは建物への影響が出るおそれがあるため安全な場所に身を寄せるようにしてほしい」と話していました。