東北・北陸・上越新幹線 運転見合わせ 再開には時間かかるか

東北新幹線と北陸新幹線、それに上越新幹線は架線のトラブルの影響で、23日午前10時ごろから運転を見合わせています。
JR東日本によりますといまもほとんどの区間で見合わせは続いていて、運転の再開までには相当な時間がかかる見通しだということです。

JR東日本によりますと23日午前9時58分ごろ、東北新幹線、北陸新幹線、上越新幹線で停電が発生し、係員が確認したところ上野駅と大宮駅の間の上りで架線が垂れ下がっているのが確認されました。
確認されたのはさいたま市中央区の線路上で、現場を写した写真では、架線の一部がレールの近くまで垂れ下がっているのがわかります。
この影響で東北新幹線の東京駅と仙台駅の間、北陸新幹線の東京駅と高崎駅の間、上越新幹線の東京駅と高崎駅の間のそれぞれ上下線で運転を見合わせています。
JR東日本などによりますと、当初、駅と駅の間に上りで1本、下りで3本のあわせて4本が停車し、このうち上りの北陸新幹線、「かがやき504号」の乗客は近くの駅まで歩いて移動してもらっているほか、下りの3本は、列車を上野駅まで移動させているということです。
JR東日本は、架線のトラブルがあった現場に作業員を派遣し、詳しい状況を調べていますが、確認と復旧の作業に時間がかかるため、運転の再開までには相当な時間がかかる見通しだとしています。

JR東京駅の新幹線の22番線ホームでは、午前10時40分ごろ、運転再開を待つ会社員や旅行客などで混雑していて、スマートフォンで調べ物をしたり、会社などに連絡を取ったりしている様子がみられました。
ホームでは、運転再開の見込みは立っておらず、高崎駅や宇都宮駅に向かう人は上野東京ラインを利用するよう繰り返しアナウンスされていました。

東京駅から北海道の新函館北斗駅に向かうはやぶさ13号は、午前10時前、埼玉県の大宮駅に到着した直後に車内の照明が消えました。
車内の照明は、5分から10分程度で再びついたものの午前11時現在、運転再開には至っていません。
大宮駅のホームでは駅員が架線にトラブルがあって運転再開の見通しがたっていないことを説明するアナウンスをしていました。
また、運転再開の見通しを直接尋ねる乗客の姿もありました。
車内に混乱は起きていません。
はやぶさ13号は当初、大宮駅を午前9時59分に出発する予定でした。

JR大宮駅の新幹線改札口付近にはスーツケースなどを持った人が多く集まっていて、電光掲示板で運行情報を確認したり、駅員に目的地まで別の方法で向かうことできるかなどを問い合わせたりしています。
窓口には30人ほどが並んでいて、切符の払い戻しなどを行っていました。
新潟県の越後湯沢駅に向かう予定だった60代の自営業の男性は「すでに1時間ほど待っているのですがどうしようもないのでどこかで切り上げないといけないと思います」と話していました。
埼玉県の熊谷駅から大宮駅まで出勤で新幹線に乗車していた50代の会社員の女性は「一瞬電気が消えたあとすぐに点灯し、車内放送で『上野・大宮間で架線が切れた』と言っていました。30分ほど止まったあと、大宮駅まで来ることができました」と話していました。

JR新潟駅では新幹線の改札の前に運転見合わせを知らせるホワイトボードが置かれていたほか、係員が乗客からの問い合わせに対応していました。
窓口には購入した切符の払い戻しなどをしようと、15人ほどの列ができていました。
新幹線ホームの改札前では大きな荷物を持った人たちが列を作り、電光掲示板を見つめるなどしていました。
東京から新潟に帰省していたという男性は「新潟でおいしいものを食べ、東京に戻って仕事しようと持ったらこんなことになってびっくりしました。早く帰りたいがしかたないと思います」と話していました。
また別の男性は「きのう仕事で東京から新潟に入って商談をし、きょう午前中に帰ろうと思っていました。雪が心配だったので早めの新幹線を予約しましたが、こういう状況で帰れません。東京でも商談があったが、すでに先方に連絡してキャンセルしました。もう1泊するか考えています」と話していました。

東京駅の改札の外で新幹線の運転再開を待っている20代のエンジニアの男性は「転勤初日で仙台に向かう予定でした。初日から幸先が良くないですが会社には連絡し時間を潰そうと思います」と話していました。

東京駅の改札の外で新幹線の運転再開を待っている秋田県能代市の60代の男性は、2人の娘に会うため21日東京を訪れ23日秋田に帰るところだったということです。
男性は「平日だから大丈夫だろうと思ったら想定外にも止まってしまいました。復旧のめどが立たないと聞いたのですが、秋田は遠いので、きょう中に飛行機にするかもう一泊するか、ここで待つか、どうすればいいか困っています」と話していました。

北陸新幹線が東京駅と長野駅の間の上下線で運転を見合わせている影響で、JR長野駅でも駅員に状況を尋ねる人や大きな荷物を持って再開を待つ人の姿が見られました。
このうち実家に帰省していて東京に戻る予定の女性は「再開するのかどうか分からず、どうしていいか分からない。見通しを教えてほしい」と話していました。
オーストラリアから家族で旅行に訪れた女性は「新幹線が止まっているので、東京に帰れる電車がないか探しています。早く帰りたいです」と話していました。
また、東京へ向かうという男性は「すぐに会社に帰らなければならないが困っている。松本駅から中央線でう回したほうがいいか、再開を待ったほうがいいか悩んでいる」と話していました。

警察によりますとさいたま市で停車した新幹線には359人の乗客がいたということです。
午後1時40分時点ですべての乗客の地上への誘導が終わったということです。
消防によりますとけが人の情報は入っていないということです。

34歳の女性はさいたま市で停車した新幹線の10号車に乗っていて進行方向に向かって左側の窓側の席、「14番A」に座っていました。
女性は「走行中に窓の外を見るとポールのようなものなどが落ちてくるのを見ました。そのあと、ガシャンという音がして気が付いたら窓がくもの巣状にひび割れていました」と話していました。
さらに音がしてから3秒ほどたって再び異変を感じたということで、女性は「新幹線のブレーキがかかり、速度が緩やかになった際、車体が右に傾いて、停車すると同時に停電しました。何時間も閉じ込められると思っていましたが、迅速に対応していただいて早く避難できて安心しました。けがもなく無事に出られたのでよかったです」と話していました。

乗客の70代の男性は「午前10時すぎ大宮駅を過ぎてまもないころにいきなりガツンという音が新幹線からして、止まりました。しばらくすると車内の電気が消えトイレが使えなくなりました。車内アナウンスはあって乗客の皆さんも冷静でした。仕事はすべてキャンセルです」と話していました。

さいたま市で停車していた新幹線から降りた33歳の会社員の男性は「仕事で金沢から東京に行く途中でした。パソコンを操作していた午前10時ぐらいにガタンとなり新幹線が止まりました。車内が少し暑くなりましたが乗客は特に慌てることもなくみなさん落ち着いていました。このあとすぐに次の仕事に行くつもりです。降りることができてひと安心しています」と話していました。

大相撲を見るために富山市から東京へ向かう途中だったという74歳の女性は「『ガタンガタン』と大きい音がして、能登半島地震を経験しているので、『また地震が起きたのか』と思いました。電気が止まっていたので、トイレも流せなくて、スマートフォンも充電できず困りました。2時間近く閉じ込められていたのでやっと外へ出られて安心しました」と話していました。

JR東日本によりますと、東北新幹線が運転を見合わせている影響で午前10時45分、品川発、いわき行きの常磐線特急、ひたち9号についていわきから先を臨時の快速列車として仙台まで運転したほか、いわき発、品川行きのひたち22号についても、午後1時25分仙台発に変更し、仙台、いわき間は臨時快速列車として運転するということです。