能登半島地震 県内に避難の女性 生活再建へ地元の輪島に戻る

能登半島地震の発生から22日で3週間です。
埼玉県内に親戚などと一時的に避難していた石川県輪島市の女性は、生活再建を目指して先週、地元に戻りました。

輪島市の南谷良枝さん(48)は、調味料にこだわった海産物の加工を行い、輪島朝市やインターネットなどで販売してきました。
南谷さんは石川県津幡町に初詣に出かけた帰りに地震に遭い、翌日、自宅に戻りました。
自宅は倒壊を免れたため、家を失った親戚などが避難して来ましたが、水が使えなかったほか、インフルエンザに感染し、発熱する人もいたということです。
南谷さんは「雨水をためてトイレに使ったり、湧き水をくんで外で髪を洗ったりしました。お風呂には10日以上入れませんでした」と振り返りました。
南谷さんのことを心配した埼玉県に住む知人がホテルを手配してくれたため、今月13日から高齢の親戚などを連れて、あわせて6人で埼玉県内に一時避難しました。
南谷さんは「トイレを流せることに感動したし、水を流すときに『もったいない』とも思いました」と話していました。
また、親戚の様子について「埼玉に来た初日、温かいごはんをいただいてみんな黙って泣いていました。ごはんやお風呂、人の温かさがありがたいとひとつひとつ感動していて、同時にこれからどうしようという不安だらけで、常に胸が締めつけられているのかなとも思います」と話していました。
南谷さんの加工場は自宅の近くにありましたが、周囲の地盤が崩れて危険な状態になっていて、断水も続いています。
それでも、まずは金沢市内で場所を借りて商売を再開しようと、一時的な住まいも確保し、20日石川県に戻りました。
21日、輪島市に帰って改めて加工場を確認したところ、地盤の崩れはさらにひどくなっているということです。
それでも南谷さんは将来は輪島で商売を再開する決意です。
南谷さんは「全国のお客様から復活してほしいというメールをたくさんいただき、もう一度、頑張るぞという思いで前に進もうと思います。金沢で朝市を開こうという話も出ているので、輪島朝市を見捨てないでほしいです」と話していました。